ケイワークス開発室 連載企画:リチウムイオンバッテリー 番外編

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ケイワークス石田です。
今回は「バッテリー上がり」の予定でしたが
番外編として
バッテリーの危険性について考えてみたいと思います。
巷でよく聞く「リチウムイオンバッテリーは危険」
そもそも、バッテリーは電気が閉じ込めてあるわけですので
正直どんな物でも危険です。
鉛バッテリーの多くは内部に
「バッテリー液(希硫酸)」が入っています。
物は動くと温度が上昇します。
電気も同じで充放電を行い電気が動けば温度が上がります。
急激な充電や放電をおこなえば
より多くの電気が動きますので
温度も上がります。
*鉛バッテリーの適正充電電流は
容量の10%
と言われています。
バッテリー液は液体ですので温度が上がれば沸騰します。
液体は沸騰すると気体(ガス)に変わります。
このガスをバッテリー内部から排出する為鉛バッテリーの
多くにはガス抜きの穴が開いています。
希硫酸も発生するガスも実は非常に危険です。
リチウムイオンバッテリーの内部にも液体は入って
いますが何重にも覆われた内部に入っていますし
元々大電量出力や急速充電に対応
している為温度上昇は殆どありません。
*メビウスシステムに採用したバッテリーの
最大充電電流は80Aです。
良く勘違いされるのがたくさんの(長時間)電気を使えるから
バッテリーの中にたくさんの電気が充電してある。
と勘違いされることがあります。
鉛バッテリー105Ah相当サイズの
リチウムイオンバッテリーは100Ahです。
実はリチウムの方が少ないのです。
バッテリーの特性でほぼ同じ量の電気を貯めていても
使える範囲が広いのです。
鉛バッテリーの充放電の制御は
周辺機器が行います。
リチウムイオンバッテリーの充放電制御は
バッテリー内部の
「BMS」と周辺機器が双方で行います。
貯めてある電気の量がほぼ同じであれば。
動作の範囲にゆとりがあり
無理なく電気の出し入れを行っている
リチウムイオンバッテリーは
むしろ安全と言えるのではないでしょうか。
バッテリーのスペックを把握し、余裕をもって使用することが
バッテリーを使用する上で最も重要だと思います。
リチウムイオンバッテリーには様々な種類があり
それぞれに特徴があります。
リチウムイオンバッテリーが危険なのではなく
間違った選び方と使い方が危険なのです。
次回は連載に戻り「バッテリー上がり」をお届けします。