
キャンピングカーに「本物」があるのなら、「本物でない」ものもあるはずです。本物とは製品にウソや偽りがなく、製造姿勢・製造技術・素材・デザインなどどれひとつとってもハイクオリティであることです。しかし現状では、この品質について各モデルの間に大きな落差があるのです。
日本の工業製品は、優れた技術力と高い精度の工作機械によって生みだされ、その品質は世界のなかでもトップレベルにあります。こうした「ものづくり」の風土を支えてきたのが、職人技といわれる緻密な手仕事の積み重ねです。キャンピングカー製造の過程でも、この手仕事に頼るところが多く、とくにインテリアの雰囲気を決めるクオリティの高い家具の製造では、機械だけでは出せない微妙な加工や仕上げ作業が必要とされます。ここで手を抜くか、ひと手間かけても粘り強い仕事をするかによって、製品に大きな違いが出てくるのです。
キャンピングカービルダーの特徴は、車両本体の製造メーカーが生産ラインではできないことを手作業で行なうため、必然的に職人的な技術力が求められるということです。しかし、こうした技術力が未熟なビルダーですと、設計コンセプトを立てる段階から低い技術力を基準にしたものづくりになってしまいます。こうした事情から、数あるビルダーのなかでも製品に大きな差やバラツキが出てしまうのは、避けられないことなのです。実際に、いつまで経ってもあまり進化していなビルダーは、現場教育が不十分というだけでなく、お客様からのニーズに対する挑戦や、新たな技術の進化への取り組みがされていないために、いいものを造りたくても造れないのが現実なのです。本稿では、「ものづくり」の本質に関わる品質にこだわって、それぞれの装備がしっかりと造りこまれているかどうか、具体的な例を挙げながら見究めていきたいと思います。みなさんが本物を見抜くために、どこに注意して見たら「よくないキャンピングカー」とわかるのか、そのポイントをお話ししていきます。キャンピングカーを評価し、善し悪しを判断できる「モノサシ」さえあれば、どんなモデルを見ても間違えたりブレたりすることはありません。
専門誌やパンフレットに載る写真で見たキャンピングカーはきれいだったのに、実際に現車を見た瞬間、「あれっ」と思った方は多いものです。しかし、何も知識がないままに、販売店側のセールストークに耳を傾けているうち、ほしい気持ちが高まってくると、どこかにひっかかりや疑問があっても、「こんなものなんだろう」と勝手に納得してしまいがちです。展示会で来場者からよく耳にするのが、「いろいろ見てきたけれど、家具の造りやデザインがいまひとつの機種が多かった」という言葉です。確かに、現在の建築インテリアにあるようなセンスのよい家具とのギャップを感じるものが多いように感じますし、ホームセンターで販売されているカラーボックスのような単純な造りだとわかるものもあります。
CHECK! 家具の品質は、素材・組み立て精度・塗装とが高度に調和したデザインをもっているかどうかで決まりますから、とくに注意してチェックする必要があるでしょう。
家具にかぎらず、粗悪でセンスのない商品からは、誰にでもわかる安っぽいオーラが出ているものです。また、一見よくは見えますが、素材の質が悪く、組み立て精度の低い海外製家具も多く見受けられます。輸入物でも本当によい家具はたくさんありますが、歴史の長いキャンピングカー(キャラバン)文化に精通しているアメリカやヨーロッパで製造されたものではなく、こうした文化が未成熟な国で製造されている家具は要注意です。なぜならば、製造工程に甘さが多く、素材の品質も違いますし、そもそもお客様に喜んでいただくために技術を磨くといった企業努力が希薄だからです。実際に、その製造現場を見れば、キャンピングカーへの期待を裏切るような驚くべき光景を目の当たりにすることもあります。また、良質な建材や天然素材が使ってあっても、乾燥過程などの下準備に手間をかけていなかったり、家具の造作そのものが粗雑なものは、時間が経てば変形、割れ、はがれなどがひんぱんに発生し、過酷な使用環境となる車内では、たったの2、3年でガタや変色も起きます。
造りこんであるのに、質感が乏しいと思ったら要注意なのです。このような製品は絶対に買ってはなりません。なんとなく質感に乏しい家具だなと思っても、他よりも50~100万円安く買えるキャンピングカーだからといって安易に飛びつくと、傷みの早さにびっくりし、しだいに居心地の悪い貧弱な居住空間へと色あせていくさまに愛着も失せてしまいます。結局、「室内で快適に過ごす」という当初の目論見は外れ、ただ寝たり積んだりに使うだけの感動のないキャンピングカーになってしまうのです。そもそも、家具の品質やデザインも含め、全体の調和がとれていない「コンセプト不在のモデル」は、飽きてしまうのが早いものです。
家具の造り直しは、一般的には非常に難しいでしょう。本当に気に入らなくなったときには、買い替えしか手段がないのが現状です。資金に相当な余裕がないかぎり、2回、3回と買い替えることなど無理です。
一部のモデルには中国の製造工場で加工したものを輸入しています。こちらで設計した図面に従って精度を高めて加工してもらいますが、製品には現地で相当な注文をつけ、納得がいくまで修正指示を出し、最終の確認作業を行なって完成させています。
はじめはよくても慣れてくると手を抜くような作業になっては製品にバラツキが出ますから、いちいち手間はかかりますが何度もチェックし指摘しなければ、改善どころか言うとおりにしてくれないのです。粗雑な素材を輸入すれば、弊社の工房で組み立て、組み付けを行なう際、微妙に合わなくなってしまうのです。お互いに無駄を防止し、間違いのない製品づくりができるよう、依頼工場にも日本の厳しいものづくりの姿勢を徹底してもらっています。
①表面の塗装が均質に塗られているか?
とくに近隣国で製作されているものにはムラが多く、製品によっては仕上がりも違います。なんとなくムラが多いと思ったら警戒すべきです。そのとき、粗悪な製品を売っている営業マンは決まって言うセリフがあります。「手造りですから、それぞれの製品差が出るのは当然なので、どうぞご安心下さい」と。しかし、このセリフが通用するのは、一定の水準をもった高品質な製品に限ります。本当に高水準の逸品を生産している自信に満ちたビルダーの営業マンなら、「ムラではありません。個性です。手造りの魅力は、職人それぞれの思いのこもった造りこみによって風合いも異なり、微妙な“個性” をもつことです」と語ることができるでしょう。粗悪な製品のムラを誤魔化すために使うセールストークと、高品質な製品がもつ個性はムラとは言わないと堂々と説明できるセールストークと、よくよく聴き分けなければなりません。ただの言い訳トークには、耳を傾けないように注意しましょう。
②表面材の材質と質感はどうか?
天板などに使用される化粧板に、妙な「てかり」や「くすみ」のある安物が選ばれていると車内全体が安っぽく感じられます。現在の建築インテリア業界では絶対に使用されない貧弱な質感の化粧板は要注意です。逆に、過酷な使用条件となる車内でも、ほとんど影響されない表面材に、国内では最高品質の高圧メラミン化粧板があります。頑丈で汚れや水そして熱にも強いので、キャンピングカーには最適の素材です。この表面材を使った家具は、趣味の道具を積載してそれが当たったり引っかいたりした場合でも傷が目立ちにくく、とても長持ちします。
③家具の金具はどうか?
扉の開閉部にある蝶番金具やキャッチステーなどの取り付けが、整然としてきれいであれば信頼がおけますが、微妙に合わないなど手抜きが見られる場合は要注意です。何度も開け閉めして確認してみましょう。金具の取り付け箇所を確認すると、家具の裏側の資材もよくわかります。金具をチェックするついでに、この部分の仕上げ状態や使っている資材の質も確認しておきましょう。近隣国で製造された金具類は、ほとんどが有名メーカー品のコピーというのが実情です。
④健康への配慮はどうか?
シックハウス症候群の原因のひとつとされるVOC(揮発性有機化合物)などを抑制した建材でつくられている家具ならば安心です。鼻をつく化学物質の匂いが充満した車内にはとてもいられるものではありません。キャブコンなど架装部分をたくさんもつ機種のなかには、真夏に扉を閉め切った状態で車内いると、目や鼻がツーンとするキャンピングカーがいまだに出まわっています。
⑤安全面への配慮はどうか?
身体をぶつけてもダメージが少ないように、角をとった隅丸加工が施されている家具が安心です。扉や蓋の隙間にガタがないかどうかもチェックしたい点です。ベッド展開を実際に行なったとき、安全に問題がある箇所がないかのチェックも必要です。また、ボディのトリム(内壁)に密着するように加工される家具ですが、振動でガタが出ないようにしっかりと固定されているか、慎重にチェックしたいところです。トリムと家具の間にクッション材をかませてある建て付けならば、きしみ音対策にも有効です。ときには、トリムと家具との密着性が悪く、大きめの隙間がある家具の設置を発見することがあります。それは、新車であっても車体1台1台には微妙な違いがあることを無視して、ただ既成家具を取り付けたにすぎず、家具を車体に合わせる緻密な手作業を怠り、常に改善をしてこなかった証拠ですから、とくに注意が必要です。
⑥見えない部分への配慮はどうか?(裏側/床のレベル/接着剤/固定方法/電気配線)
それぞれのビルダーの作業姿勢に関わることですが、たとえば家具のなかに仕込まれる電気系の装備の設置方法や配線のまとめ方を見ると、その会社の作業姿勢がよくわかります。電気系統のチェックというかなり専門的なことよりも、配線途中の接続部がきちんと絶縁されているか、結束バンドなどで複数配線が要所要所でしっかり束ねられているか、機器の設置場所や取り回しに無理がないか、キャンピングカーショーなどへ行って各社の家具の扉や蓋を開けて、奥まで調べてみましょう。こうした外からでは見えない部分のチェックも大切なのです。ガタつきのあるいい加減な配線状態ですと、ボディの鉄板の端などでこすれ合い、絶縁が剥がれ短絡(ショート)すると同時に、最悪の場合は引火して火災を起こすこともあります。また、配線図の記録や納車後のメンテナンスにも配慮した配線架装が大切です。配線関係のトラブルは、何年か経過したのちから発生するもので、初期に手抜き仕事をしたツケが、ユーザーの怒りや不信感となって跳ね返ってくるのです。
CHECK! こうした不安へ対処するには、ビルダーの担当者にはっきりと問いただすことです。そして、担当者のようすをよく見ることです。そのとき、作業の取り組みに対する姿勢を明確に説明してくれるビルダー会社を信用すべきです。また、購入する予定のビルダーから遠い地域でキャンピングカーを使う場合、メンテナンスのたびにビルダーに寄ることは難しいので、あらかじめ各モデルの配線図があるかどうかの確認をしておくことも大切です。
手づくり家具には、コンピュータ上で設計された大量生産型の家具ではとうてい真似できない、人の思いがこもった「ぬくもり」があります。ハンドスケッチから始まり、何度も試作品をつくっては微調整を繰り返して家具の型をおこしていきますが、この間の作業はすべて手仕事です。何よりも、高い技術力をもった日本の伝統家具職人が、「お客様にいつまでも喜んで使っていただけるように」と丹精込めてつくった家具は、やはりオートメーションから生み出された量産規格品とは一線を画します。
最近では、家具の色使いや形状などデザインが洗練されて美しく見えるものが登場していますが、大量生産の規格品は結局コストダウンによって製造されますから、「長く付き合っていくとやがては飽きるだろう」と予測できる家具が非常に増えています。見た目はよくても一昔前のカラーボックスの進化版とでもいうべき家具です。
ただし、これはこれで需要がありますから、みなさんの好みによって選択すればよいのですが、わたしが求め、みなさんにお勧めしたいインテリアは「ぬくもり感」なのです。ぬくもり感のあるインテリアは、年月が経つほどに愛着が湧いてきて、手放せなくなってくるものです。10年、15年と愛着をもって大切にできるモデルこそが、キャンピングカーとして真の価値があると考えます。
美しく耐久性に優れた手づくり家具を装備し、あらゆる用途を1台で満たすことができる高品質なキャンピングカーさえ選択しておけば、買い替えサイクルを今までの3回を1回にすることも可能になってきます。そこでも大きな節約が生まれますが、何よりも、ぬくもりのある家具に囲まれて心落ち着く自由な時間が、人生に計り知れない価値をもたらしてくれるに違いありません。
キャンピングカーに慣れてくると、しだいにシンプルに車内を使いたくなります。これは、わたしたちが、快適性、安全性、使いやすさを前提としつつも、キャンピングカーに「非日常を感じることができるリセット(reset)」を求めているからではないでしょうか。過剰な装備の家具は、悲しいかな、しだいに使われなくなるばかりか邪魔者扱いされるようになります。キャンピングカーの使い方に変化があったのならば仕方ありませんが、購入前に、車内の使い方をよく考えておかなくてはなりません。また、天井からベッドサイドに至るまでたくさんの家具収納を確保したいという、初めから好みが明確な方には、お値段は張りますが、家具で満たされた大型サイズのキャンピングカーも理想空間なのです。
一般的には、高品質なAll in Oneタイプのキャンピングカーを選んでおけば、家具も「寝る・乗る・積む」の3機能に支障なく製造されていますから大丈夫です。さらに、それらの家具の品質がよく、ぬくもり感のあるデザイン性まで備えたものであれば、買い間違ったという失敗も少なくなると思います。
繰り返しになりますが、キャンピングカーのインテリア基調を決めるのは家具であることを、みなさんの胸に刻みこんでおいてください。
最近のキャンピングカーに装着されている照明は、そのほとんどが中国製など輸入物のLEDです。このなかでも、かなり品質や明るさに差があります。照明による光の質感というものが、インテリア全体に与える影響はとても大きいのです。照明は夜のキャンピングカーライフ・車中泊ライフを演出するもっとも大切な装備ですから、車選びには欠かせない重要チェック・ポイントなのです。キャンピングカーの魅力は、インテリアデザイン、家具、照明、床、生地の調和によって完成しますから、照明が物足りないとすべてが台無しになります。ここでは見究め方を3つご紹介します。
1)就寝スペースは十分に確保できるか?
キャンピングカーの定義では、縦1800㎜×横500㎜が大人1人に最低限必要な面積です。これを基準に何人就寝できるかが各機種の仕様書に表記されます。しかし、実際の使用状況を想像してみますと、横幅50㎝というのは、いささか狭いですね。これは、キャンピングカーという限られた空間ならではの事情なのですが、この限られた空間であればこそ、できるだけ広い就寝スペースをとるにはどうしたらいいか、各ビルダーが知恵と技術力を総動員して工夫を重ね、さまざまなレイアウトのベッドが生まれてきたのです。軽自動車ベースならともかく、ハイエースベースのキャンピングカーなら、就寝スペースをなるべく広く確保できるレイアウトが望ましいと思います。キャンピングカーを買ったあとで、就寝スペースが狭くて困るから室内レイアウトを変更しようとすると、レギュレーションに抵触して車の登録や車検からやり直さないといけない可能性があります。
CHECK! そんな失敗をしないためにも、「大は小を兼ねる」ではありませんが、広い就寝スペースを確保できる機種を始めから選択候補に入れておき、ベッド展開をするときのレイアウトを必ず確認しておきましょう。
2)オプションで増やせる就寝スペースもある
バンコンのなかには、平面のみでは就寝人員を増やせないので、家具の天井部などを利用して2段ベッドを張り渡す工夫も登場しました。2段ベッドとして使わなければ、そのベッドマットは外しておくタイプが多いようです。オプションの場合が多いですが、機種のなかには標準装備されているものもあります。ベッドマットの収納に関しては、設計の工夫によって可否が決まるので確認が必要です。また、車体のルーフ部分を切り抜いて加工し、開閉が自由にできる車体一体型のルーフテントを提案する機種もあります。ポップアップルーフなどと呼ばれる機能ですが、室内から自由に出入りできますから、天井部にも就寝スペースを増やすことができます。その場合には、雨と寒さへの対策を具体的にしておく必要があります。
3)ベッドマットの質と厚みをチェックする
キャンピングカーは寝るための車です。ここで安眠を得るためには、いかに快適なベッドマットにするかどうかがカギになってきます。快適なベッドマットは、ウレタンフォームの構成で決まります。ビルダーには、ここにしっかりコストをかける企業努力が必要なのです。価格帯の低いモデルをメインにしているビルダーでは、どうしてもベッドマットの品質は低下します。市場に数多く出回っている中国製など量産品のベッドマットやクッションは、その象徴と言えるでしょう。クッション性能に関しては低反発ウレタンではなく、高反発の方が望ましいと考えます。ベッドマットは、仕上がり寸法で80㎜・70㎜・60㎜と使われる場所によっては薄く仕上げなければなりません。そのときに、柔らかすぎたり低反発であったりすると、クッションが体重に負けて沈みこんでしまい、腰などが底付きしてしまいます。この逆に、アメリカ製のベッドマットに多い、クッションが厚くて柔らかいタイプも身体をしっかり支えてくれず、ふわふわと不安定な就寝状態がつづくために疲れがとれにくく、翌朝に疲労が残ってしまいます。こうした経験のなかから、キャンピングカーのベッドマットに適するクッション素材は高反発ウレタンであることを導き出しました。
CHECK! チェックの仕方は、ベッドマットに肘を当て体重をかけてみることです。そのとき、すぐに底つきしてしまうようなマットは絶対に避けるべきです。ベッドマットは、就寝機能をもつことが特徴のキャンピングカーにとって最重要部分なのですから。
4)ベッドマットのカバーをチェックする
ベッドマットの表面に張られたカバーの生地をよく見てみると、生地にたるみが出ているものがあります。このたるみを軽視してはいけません。これは、生地の縫製が悪いのが原因で、クッションのウレタン形状をカバーがぴったりと覆いきれていないから発生するのです。たるみをそのままにしたゆるい縫製のカバーでは、早い段階から生地が傷みはじめ、ベッドマット全体の劣化が激しくなるので要チェックです。
CHECK! チェックの仕方は、平面になった生地を親指と人差し指でつまんでみて下さい。それで簡単につまめるようでしたら、比較的早い時期から生地の傷みが進みます。さらに、質の悪い生地であれば傷みの進行は加速します。
また、キャンピングカーの構造条件のひとつとして、ベッドマットやシートの生地は、火災時への対策として難燃素材を使わなければならないことも覚えておいてください。国内の一流メーカー製の生地はほとんどが難燃性ですが、輸入生地については詳細が不明です。実際に火をつけてみないとわからないというのが現状のようです。わたしは、中国における生地の街、杭州にも行ったことがあり、現地で質の悪い生地をよく見て知っています。各ビルダーに、「この生地は、どこで生産されているのですか」と直接問いかければ、判断できるでしょう。難燃性の認可を受けた生地を販売する信頼のおける国産生地メーカーは、サンゲツ、シンコールの2社です。とはいえ実際の製造は中国だったりもしますが、品質管理、生産する機械や設備、マネジメントに優れる日本の大手メーカーの製品は、同じ中国製でも粗悪品との間に天と地ほどの開きがあります。
みなさんがキャンピングカーを選ぶとき、「デザイン」についていろいろ検討されるだろうと思いますが、その重要性について踏み込んでお考えになったことはありますか。家にしても、車にしても、普段身につける洋服にしても、わたしたちの気持ちを豊かにしてくれるのは、実は「デザイン」なのです。キャンピングカーのインテリアデザインが悪ければ、居心地もよくありませんし、心をいやされることもなく、わくわくするような楽しい気持ちも半減してしまうでしょう。少し視点をかえて、インテリア業界のレベルについて考えてみましょう。
現在、アルフレックスなどイタリアのメーカーの活躍とその影響で、インテリア業界の製品は、とてもデザイン感覚にすぐれたハイセンスなものが出まわるようになりました。ハッと目を惹きつける魅力的なデザインのソファやテーブルが、ショーウインドウを飾っています。自宅に置いたら、さぞや気分がいいに違いない…そんな夢をかきたててくれます。ところが、日本のキャンピングカー業界はどうでしょうか。正直なところ、デザインからキャンピングカーをとらえるという考え方については、まだまだ発展途上の段階であると思います。たしかに、人を乗せて走る車には、安全基準や道路法規など国が定めた厳しい基準があり、それを無視したデザイン優先のものづくりは許されてはいません。多くの規制があるのも事実です。しかし、だからといって、質実さを追究するあまり、夢のないデザインばかりになってしまっては、「夢のクルマ」が泣いてしまいます。長く付き合えるキャンピングカーなのですから、その出会いには、ドラマチックで心を揺さぶられるデザインがほしいところです。
製造段階から規制の多いキャンピングカーですが、そのなかで求められる「よいデザイン」の条件は、「全体の調和」がとれているということです。「全体の調和」とは、家具(素材と色と質感)・光(照明)・空間(広いレイアウトと快適性)のバランス。この調和こそが、キャンピングカーの機能美やムードを決定づけるのです。どのキャンピングカー・ビルダーも、ユーザーにとって使い勝手のよい車内レイアウトを重視し、できるだけ安価にと試みるものです。しかし、リーズナブルな価格に抑えて普及を目指すあまり実用性に偏ってしまい、機能美や空間デザインの美しさがスポイルされてしまう傾向は否めません。
住宅でも、使い勝手のよさのみならず、高いデザイン性や趣味性が求められる時代です。デザイン性が高く、美しいインテリア・エクステリアが整っていなければ、住み心地に影響します。日常生活で居心地がよい家とは、美的なセンスにあふれた機能性の高い場所。くらしのなかに「美」が確実に浸透してきているのです。
家具・シート・床に至るまでセンスのよい色彩でまとめられた統一感。余分なものを削いで目的に合った装備だけが見事にレイアウトされた美しさ。「全体の調和」を前提とした車内空間デザインをもつキャンピングカーからは、ビルダーのセンスとともに、手をかけたつくりが放つ貫禄のようなものがにじみ出てきます。安物づくりではごまかせない、本物の深みというものを追究したいものです。
ここまでご説明してきた「よくないキャンピングカーから逃れるコツ」さえつかめば、見てくれのよいデザインや一時的な美しさに翻弄されず、「全体の調和」がとれた色あせないキャンピングカーを見つけられるようになるでしょう。
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