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失敗しないキャンピングカーの選び方 ⦅Van Conversion編⦆ 秘密にしていたわたしのノウハウ
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AURORA STAR CRUISE

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なぜ今キャンピングカーなのか?

多様化するカーライフのなかにあって、どんな基準で車を選ぶべきか。車に何を求めていくか。決して安い買い物とは言えない車ですから、できれば遊びにも旅にも趣味にも…と多目的に使いたいものです。ところが、全ての条件を1台で満たす車種にはなかなか出会えないものです。

その理由は、自動車メーカーから発売される既製品は、継続的な収益構造を重視して、最大限に効率化された生産ラインで製造されるため、多目的性を十分に考慮し、お客様それぞれの使い方に細かく対応できる仕様ではないからです。そこに登場したのが、キャンピングカービルダーによる「既製の車に車中泊設備や家具を架装したキャンピングカー」という独特なカテゴリーです。こうしたキャンピングカービルダーの代表的なメーカーとしては、ヨーローッパのウェストファリア社などが知られています。

では、なぜ今キャンピングカーなのか。それは、新車を選ぶ際に、「車は燃費最優先」という経済性を求める移動手段中心の考え方のほかに、「家族や恋人や仲間といっしょに今しか味わえない大切なときを過ごすための必需品」という考え方が、ようやく日本にも広がってきたからです。車というものを移動の道具から楽しむための安らぎ空間へ。こうした精神生活の充足をカーライフに求める人たちが一挙に増え、社会現象になってきたのです。

近年では道の駅が急速に普及して全国各地で1,000か所以上にも広がり、日帰り温泉(公衆浴場)に至っては全国で7,000か所を超える施設数が存在し、車を利用した旅や観光をサポートしてくれる環境が整ってきたことも、キャンピングカーライフや車中泊ライフというものを身近にした要因でしょう。また、24時間開いているコンビニエンスストアは全国どこにでもあり、時間にとらわれない自由な行動型レジャーを支えていることも要因のひとつです。

それともうひとつ、阪神淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災などつぎつぎと大災害に見舞われてきた日本ですが、それぞれの被災地では、「キャンピングカーのように移動可能で寝泊まりできる車両があれば、住居代わりに使えてとても助かったのに」という声が高まりました。そこで、災害時の一時避難場所としてキャンピングカーが真剣に見直され、その利便性に注目が集まるようになってきたのです。

バンコンという選択肢

キャンピングカーは、もはや従来のように特殊車あるいは特別車であるという見方から大きく変化し、日常にも使える普通車として普及し始めているのです。このダイナミックな潮流をつくったのが、バンタイプの既製車ボディの内部をキャンピングカー仕様に架装したハイエースです。いわゆるバンコン(Van Conversion)と呼ばれるジャンルを牽引してきたハイエースは、今やひっぱりだこの大人気車種なのです。 では、なぜバンコン型キャンピングカーは既製の乗用車より使い勝手がよくて魅力的なのでしょうか。キャンピングカーと言えば、大柄で屋根も高いキャブコン(Cab Conversion)と呼ばれる特殊車両と見なされる場合が多く、ほとんどの方にはその車格からして敬遠され、高額な値段であることも手を伸ばせない理由だったのですが、キャラバンやハイエースならば、街でよく見かける市販品のミニバンタイプそのものですから、運転もしやすく安心であるばかりか、日常の普段使いとの兼用も可能です。

このミニバン、最近では内装を変えてキャンピングカーとして利用する人が急増しているのです。このなかに、長期間滞在を可能にした快適な車中泊機能が収まり、広い就寝スペースが確保され、家具なども豪華で、あらゆる遊びの用途に合わせられる機能をもち、好みにあった内装デザインを自由に選べるうえ、シートのレイアウト変更も可能で積載量も大きいことなどが知られるようになると、従来のキャンピングカーの既成概念は大きく崩れていきました。こうして、ハイエースなどのキャンピングカー仕様の認知がすすみ、普及が始まると、多目的な利用条件に応えられる装備のみならず、快適なクルージング性能をもち、豪雨や積雪をともなう悪路でも安全に走行できる走破性能の高いバンコンが、さらに求められるようになってきました。4WDを装備したハイエースのキャンピングカーや弊社で扱うデリカD:5の車中泊仕様は、その象徴といえるでしょう。

いまやバンコン型キャンピングカーへの需要はますます高まるばかりですが、裏返して言えば、カーライフの変革を求める声がここまで大きくなっているということなのです。人生で大切なものとは何か、人は真剣に考えようとしています。家族や恋人や友人たちと楽しい思い出をつくりたい、趣味の世界をもっと広げたい、泊まり先を気にせずに自由な旅に出てみたい。そして拘束されることの多い日常生活から、フッと抜け出して素の自分にかえりたいと思ったとき、あなたの横にキャンピングカーがあったら…。

こうした人びとの思いを自社製品で実現しようと努めているキャンピングカー製造会社が、全国にはたくさんあります。キャブコンを中心に製造販売する会社、もっと大きなサイズで専用シャーシに居住機能を架装するフルコン(Full Conversion)を製造する会社など、ユーザーの好みに合わせた機種を専門に扱うビルダー(架装会社)が多く、専門領域も多岐にわたっています。シャワー・トイレ・ダイニングまでいちいちに充実設備をおごるフルコンや、アメリカ製のエアストリームを始めとする長期滞在型トレーラー(Travel Trailer)など、1,000万円をゆうに超える豪華キャンピングカーから、軽自動車にキャンピング機能を架装した軽キャンパーといわれる日本独特の車中泊カーまで、目をみはるばかりの機種が存在します。

全国各地で開催されるキャンピングカーショーには、これらのビルダーや販売会社が自信作をずらりと出展しますから、会場でご覧になった方も大勢いらっしゃると思います。それぞれのタイプにはやはり長所と短所があり、ユーザーの利用方法や格納場所の都合などによって、選ばれるタイプも千差万別ですが、現在のところ、日本の道路事情や住宅事情に合致したキャンピングカーとしてユーザーに圧倒的な支持を得ているのは、バンコンタイプです。

わたしも失敗した車選び

ところが、このバンコン型キャンピングカー、広く普及しているのはいいのですが、買って使ってみたら、この機能も要らない、あの機能も使い勝手が悪い、家具の品質の劣化が早くて愛着が薄れた…など、不満や批判をもつユーザーがいらっしゃることも事実です。

バンコン製造のビルダーや販売店も、こうしたユーザーのみなさんの声を採り入れ、経験的データを蓄積してさらなる改善に努めていますが、見せかけの華美なデザインで廉価の割には高級感があるように演出した機種や、安全面に注意が払われていない家具デザイン、インテリアを安っぽく見せてしまうムードのない家具・照明、過剰な装備を盛りこんで多機能を売り物にする機種、極めつけには、やたらとベッド展開が面倒な車内レイアウトなど、ビルダー側の製造姿勢に疑問があるバンコンも確かに存在します。

その一方で、明確なポリシーのもと、しっかり造りこまれた良質なキャンピングカーであっても、そこに装備された機能やサイズがユーザーの使い方や使用目的に合わなかったので、買ってはみたものの結果的に高い買い物になってしまったという、ユーザー側の認識不足や未熟さが原因の「失敗」も後を絶ちません。

バンコンは、キャンピングカーのなかでもっとも人気が高いジャンルであるだけに、ビルダー各社も力を入れてさまざまな機種を投入しています。最新機種が一堂にそろうキャンピングカーショーなどの会場では、それはそれは華やかに見えるものです。ユーザーのみなさんが迷ってしまうのも無理はありません。それほど魅力的なバンコン型キャンピングカーが増えてきたということなのです。

それだけに、自分や家族の使い方や志向性をよくわきまえ、冷静に購入計画を詰めていかなければ、各会社の営業マンのセールストークに心はゆらぎ、表面的なスタイルや価格だけに目を奪われて、末永く付き合えるはずだった「本物」から遠ざかってしまうこともあります。実際、そのような経験をされたユーザーの方がたから悲しい思い出をうかがうことが多いのです。

かく言うわたしも、キャンピングカービルダーとして独立する前は、見せかけの姿に惹かれて、自分の使用目的や使用場所などをほとんど考えずに、目の前の車に飛びついて購入し、後から手ひどい目に遭ったことが何度かありました。次は失敗しないぞ、と思って臨むのですが、また似たような失敗を繰り返したのは、車というものの本質的な価値を自分の使い方や人生の価値観と一致させることなく、選んでいたからだと思います。

キャンピングカーは決して安い買い物ではありません。数年ごとに何度も買い替えることができるのであれば、さまざまなタイプのキャンピングカーに乗ってステップアップすることも楽しいでしょうが、一般的には10年~15年と乗って使うものです。やはり一度のチャンスを活かし、自分や家族の使用目的やセンスにかなう最良の1台を選び抜きたいものです。

理想の1台にめぐり逢うために

そこで本稿では、わたしがハイエースなどをベースとするバンコンタイプのキャンピングカーを製造販売してきた立場から、数多くのお客様と真摯に向き合い、ご批判や共感のお声をいただいてきた経験と実績を活かし、これからユーザーとなるみなさんが絶対に失敗しないキャンピングカーの選び方をお伝えいたします。

とくに、バンコンを選ぶ場合に絞ってお話を進めていきますが、折にふれて、その他のモデルにも言及し、数多くの機種のなかからバンコンを選ぶことで得られるメリットをつぶさに解説していきますので、貴重なお時間をいただきますが、後の大失敗を防ぐためにも、ぜひ最後まで熟読願います。

キャンピングカーっていいなと思い、情報を集めるとき、手近なところでは、まずインターネット上で展開されているビルダー各社のホームページが参考になりますし、キャンピングカー専門誌も有益でしょう。最近では、『BE-PAL』(小学館)のようにアウトドアライフを謳ってきた雑誌もキャンピングカー特集を組むなど人気が幅広い分野に浸透しつつありますし、新聞報道のなかでもキャンピングカーの普及が取り上げられる機会が増えましたから、キャンピングカーに関する情報は世に溢れていると言っても過言ではありません。10年前とは隔世の感があります。ところが、使用者側の目線に配慮しながら、プロフェショナルな立場からシビアにキャンピングカー選びの本質を教えてくれる情報にはなかなかお目にかかれません。キャンピングカービルダーが力を入れるカッコいいプロモーションや美しいイメージ画像の背後に落とし穴はないか、お客様の悩みや迷いをとことん聴いて的確なアドバイスをしてくれるサービスがあるか、本当に安全な素材が使われているかなど、車選びの前に知っておかねばならない知識や注意点は、ほとんど見えてこないのです。

最近、食品に関しては、消費者側に立って、商品へのシビアな評価や注意点を載せる記事や書籍がたくさん出てきましたが、キャンピングカーに関しては、わたしの知る限り存在していません。そこで気づいたのは、キャンピングカーが流行するなかで置き去りにされているのは、実は、これからキャンピングカーを購入しようと夢膨らませているみなさんなのかもしれない、ということでした。

なかには車中泊旅行のベテランの方もいらっしゃいますから、そうした方がたへは釈迦に説法のような内容になるかもしれませんが、本稿では、ビルダーの立場から専門的なお話も披露し、製造者側から見たキャンピングカーの善し悪しをご紹介します。併せてユーザー側が購入前に理解すべきことを筋道立ててご説明しますので、キャンピングカーに関心をもつすべての方がたに「本物と出会うための正しい選び方」を知っていただけると思います。

ビルダー内部で秘密にしておきたい事情なども書いてしまいましたから、自分で自分の襟をただすような内容になりましたが、乗る人の安全・安心をつくる仕事にたずさわっている以上、妥協できない「ものづくり」を目指すのが、製造者責任であると確信しています。ウソのないキャンピングカーを生み出す信念と高い技術力こそ、ユーザーのみなさんの信頼を得られる第一条件なのです。みなさんの夢や希望をかなえることがビルダーの使命なのですから、メリット・デメリットを包み隠さず解説することも大切であると思っています。

狙い通りの1台に出会うために、そして10年、15年と乗りすすむうちにますます愛着が湧いてくる1台と過ごすために、本稿は「失敗しないキャンピングカーの選び方」を余すところなく披露します。お読みになる前と後とでは、キャンピングカーへの評価や見方が、まったく異なったものになるでしょう。キャンピングカーの購入をご検討されているみなさんが理想の1台とめぐり逢えますよう、本書が仲人役をつとめることができれば幸いです。

株式会社ケイワークス代表取締役社長 黒田 功

第1章 人生の楽しみ方が劇的に変わった
-バンコン・ユーザー Before & After-

キャンプ中心に楽しみながら災害避難車両にも

イワシナ様(神奈川県在住) 40代 利用者:家族5人(ご夫婦とお子様3人)
購入車:バンコン型キャンピングカー(ハイエース)

どのような使い方をされていますか?
「基本的にキャンプをベースとしつつ、車中泊と組み合わせています。普段使いとの兼用なので、バンコンタイプがちょうどよかったですね。家族が多いので、フルに乗って横になるといささか狭いと思い、ポップアップルーフ仕様にして正解。ルーフ上では2名休めるようにしました」
奥様に伺いますが、キャンピングカーを選んでよかったことは?
「ホテルに泊まる旅行だと宿泊費もかさみますが、キャンピングカーだとそこを浮かせられます。その分を美味しい食事にあてることができますし、何よりも時間を気にしないで旅ができる自由はうれしいですね」(奥様)「子どもも大きくなれば家族で1部屋の予約…というわけにいかなくなり、1回の旅行で2部屋をとるとなると負担も大きくなりますからね」(ご主人様)
内装や装備についてはいかがですか?
「キャンプを中心に考えていたので、車内での炊事器具は必要ありませんでしたし、最低限の設備でよいと思っていました。オーソドックスな方が身軽でいいですよ。また、何よりも快適に寝られるソファーのようなシートがありがたいですし、シート素材についても、多少濡れても奥に浸みこまないフェイクレザーを選べたのがよかったですね」(奥様)
バンコンタイプに決めた最終的なポイントは何でしたか?
「キャブコンのように目立つのはどうかな…と思いましたし、いかにもキャンピングカーというのがちょっと自分のフィーリングには合いませんでした。また、駐車場の関係で、高さに制限がありましたから、バンコンになりました。しかし、ポップアップルーフは欲しかったし、ソーラーパネルも付けたかったので、車高を2インチ下げ、ソーラーもフラットタイプの一番薄いものにしてもらいました」
イワシナ様
ハイエースの乗り心地はいかがですか?
ガソリン2.7リットルなら、問題ないパワーです。災害など、どんな状況にも対応できるようにキャンプ道具などはいつもフル装備していますし、家族5人全員がそこに乗っても大丈夫です。ただ、どうしても、心地よく乗車するためにコンフォートリーフとコンフォートシャックルに換えていただき、乗用車感覚に近づきました。あとは、ショックアブソーバーのサスをどうしようかな…というくらいで、全体的に満足しています」
実際にお使いになって、今までとは休日の過ごし方に変化はありましたか?
「休日の前の日、仕事から帰ってきても、ちょっと頑張って家族で移動し、目的地の近くで前泊すれば、朝起きた瞬間から遊べるというのはキャンピングカーの強みですね。先日も相模湖のイルミネーションを見に行ったのですが、夜遅くまで楽しめて、そこで一泊したので、また翌日もたっぷり遊べました。キャンピングカーを購入する前と後とでは変化は大ありですね。すべてにおいて余裕が生まれました
そのほか、キャンピングカーの用途について一言お願いします。
「キャンピングカーを購入する動機となったもうひとつの大きな要因は、『いざとなったときの脱出車』という考え方ですね。災害時の避難移動手段にもなるし、宿泊所代わりにもなります。ポップアップルーフは、いざというときの脱出口にもなるし、さまざまな使い勝手があるから一押しです。さらに、ソーラーパネルをルーフに取り付ければ、災害時の電源として本当に助かると思いますよ

ペットといっしょにどこにでも行ける車中泊の魅力

ニシオ様(愛知県在住) 40代 利用者:ご夫婦と愛犬2匹
購入車:バンコン型キャンピングカー(ハイエース)

ご利用の人数と使い方を教えてください。
「家族は、夫婦ふたりと犬が2匹です。コーギーの親子なんですよ。基本的には旅行に使っていますが、犬がいるので、ペットといっしょに泊まれる宿が限定されてきちゃうんですよね。わたしたち夫婦も行きたいところに行けて、犬も泊まれる宿をあれこれ探さずに済むには、キャンピングカーかな…と考えて、フットワークもいいバンコンタイプにしました」
使い勝手はいかがですか?
「使い勝手はメチャメチャいいです。もう、いろんな面で劇的に変わりましたね。旅のスタイルだけじゃなくて、ライフスタイルも! 何よりも、思い立ったが吉日で、すぐに行動できるようになりました。今までだと、ずいぶん前から宿の予約を考え、そこの予約がいっぱいだったら、旅の計画から再検討しなければならなかったりして、縛られることが多すぎたんですね。犬も泊まれる宿って、結構決まった場所にしかないから、いつも同じペンションとかになってしまって、わたしたち夫婦が行けるところも限定されちゃうんですよ。でも、キャンピングカーだと、寝る場所の確保に何の心配も要りませんし、時間を気にせず、旅先を変更する必要もなくなって、行動にものすごく自由が出てきましたよね
奥様に伺いますが、車内に調理器具やシャワー、トイレなどは要りませんか?
「たとえあったとしても、ほとんど使わないように思います。逆に、お風呂は、旅先でも充実してきた温泉をいろいろ巡ってみたいので、人が使うシャワーは不要です。ただ、ノズル付きシャワーがついていて、お散歩から戻ってきた犬の足を洗えるから、それだけは重宝しています。いろいろ器具がつくと、車内を広く使えなくなりそうだったし…。あ、そうそう、シンクは顔や手を洗うだけに限定して使っていますが、これは女性にしてみたら結構便利ですよね」
ご利用回数は増えましたか?
「もう、乗用車タイプに乗っていたときに比べてグ~ンと増えましたよね。年間の主要なお休みとなる夏休み、年末年始、ゴールデンウィークや3連休などは全部キャンピングカーで出かけていますし、その間にもちょくちょく…。だから、走行距離も一挙に伸びたんじゃないですか」
キャンピングカーをご購入された決め手を教えてください。
「まず、犬も快適に過ごせるという、ペット中心の考え方でした。犬を連れて入れない観光地なんか結構ありますけど、そんなときは、犬を車に残したまま長時間の駐車になっちゃうんですよ。そのとき肝心なのは、換気なんです。選んだ機種にはベッドサイドに小窓がありましたから、そこに網戸を設けて開けておけば通気性もよかったし、何よりも犬もゆったり過ごせる室内の広さが魅力でした。ポップアップルーフもよかったですね。家具の造りこみも素敵ですが、ウチの場合は、あくまでもペット中心主義ですから、広さと換気の安全面が重要でしたね」
ニシオ様
乗り心地はいかがですか?
「走行中の乗り心地、というだけでいえば、以前に乗っていた乗用車タイプのワンボックスに比べたら、やはりバンタイプだな…って感じますが、みんなで旅を楽しむための車という点で考えたら、十分な乗り心地じゃないでしょうか?旅先での使い勝手を考えたら、前車とは比較になりませんね」
ひとまわり大きな車両となりましたが、ご自宅ではどんな駐車をされていますか?
「ウチはマンションの地下駐車場なので、買う前には、車の高さを考慮しないといけなかったんです。キャブコンのような高さのある車両は、初めから選択肢から外していました」
ご購入の予算はどれくらいに設定されていましたか?
「当初は400~500万円のなかで…と考えていたんですが、やっぱり、あれもこれも、と充実させたくなっちゃうんですよね。2回も3回も買えるものじゃないですからね。最終的には500万円を超えましたが、満足する装備でした。フル活用できていますし」
最後にご主人様にお伺いしますが、装備面でのご感想はありますか?
「そうですね、以前、真夏にクーラーをよく使っていたときには、バッテリー上がりが心配だったものですから、今後の電源確保ためにも、発電機能は持っておいた方がいいと思いましたね。将来的には、ソーラーパネルを取り付けたいなと思っています」

夫婦二人旅には最高の相棒

ヤマモト様(滋賀県在住) 60代 利用者:ご夫婦中心
購入車:バンコン型キャンピングカー(ハイエース)

ご主人様も奥様もキャンピングカーライフのベテランのようにお見受けしますが…
「僕は今、60代前半。家族は3人やけど、普段の遊びはほとんど夫婦だけですね。このキャンピングカーを買うまでは三菱の四駆に乗ってたんですわ。その車で北海道に行くか、新しく買い替えるかどうかのとき、たまたま名古屋でキャンピングカーのショーがあって、そこで目的にかなった機種と出会い、即決ですわ(笑)」
あれこれ数社と比較検討して…というのはなかったのですか?
「そりゃ、全国各地からキャンピングメーカーは出展してるから、いろいろ見ましたけどね、ハイエースのキャンピングカーを買うことは初めから決めていたので、ポップアップルーフが付いていて内装もよかったこの機種に迷うことなく決めましたね」
ポップアップルーフ装備はどんなふうに役立っていますか?
「やはり、孫を乗せて遊ぶときには、これが要るんですよ。車内の就寝スペースに大きな余裕ができますからね。今、孫は静岡に住んでいるんですが、夏休みに迎えに行って、一緒に富士山近辺でキャンプしたこともありましたが、大喜びでしたよ」
以前は四駆だったそうですが、そこでも寝られるような改装はされていたのですか?
「そうそう、四駆も一応ベニヤ板を設置して、そこに布団を敷いてね、全国ほとんどを巡ってきましたからね」
やはり、お見受けしたとおり、車中泊ライフのベテランでしたね?
「そりゃ、もう慣れていますね。だから、ハイエースに乗り換えて、さすがにこの広さは使えるなぁと思いましたよ」
車のクッション性はいかがですか?
「基本的にハイエースはバン仕様ですから、乗り心地という点で、高級ワンボックスカーとは違いが出ますよね。しかし、荷物はけっこう重いものまでどっさり積んで移動しますから、高級ワンボックスカーでは対応できないんですよ。だから、乗り心地面での改良策には、ランチョのサスペンションに替えています。まぁ、キャンピングカーというものに何を期待するのか、という使用者の使い勝手の問題ですからね」
ボディ剛性の面ではいかがですか?
「剛性はいいと思いますよ。もうね、この車を購入したとき、ありとあらゆる装備を全部付けてもらったし、その後に常備するものを各種取り揃えて積んでいるから結構な重量にはなっていると思うんやけど、ボディの剛性で悩んだことはありません
ヤマモト様
ずいぶん費用もかかったのではないですか?
「予算については、まったく関係なし。とにかくフル装備で、長い旅での快適性が得られたらそれに勝るものはない…という考え方ですね」
奥様に伺いますが、車中での居住性はいかがですか?
「余分な家具や収納があれこれ付いていない機種を選びましたから、室内空間は広いし、ゆっくり休めて過ごしやすいですよ。ポップアップルーフを付けたり、サスペンションをいじったりしてはいますが、インテリアについてはまったく手を加えていないですね」
ご夫婦ともに、このキャンピングカーが気に入っておられるご様子ですが…
「前回の四駆がディーゼル車だったので、今回はガソリン車にしました。そんな違いはありますが、キャンピングカーを決めるときに、あの会社がいい、この会社はよくないとか、そういう迷いは一切なくて、現車を見て即決でしたからね。これはイイ!というインスピレーションのようなものだったですね。会社の対応もよかったですしね。そこで信用ができたので、実は、依頼してから一度も製造過程を見に行ったことがないんですよ(笑)。でも、完成車を見たら、思った通りの仕上がりでしたね」
奥様にまた伺いますが、今までのカーライフとは、どんな違いを感じますか?
「そりゃ、燃費だけを考えたら、普段乗っている軽自動車にはかないませんが、旅を楽しむための特別な車なんですから、燃費がどうのこうのは関係ないですね。なによりもまず、自由な行動がゆるされる解放感がたまりません。家にいるときは軽自動車で走り回っているから、用途を分けて使えば、気分転換には最高の車ですよね」
ご主人様に伺いますが、キャンピングカーの使い方や装備への注文があれば教えてください。
「釣りが趣味やから、釣り道具はいつも積んでいますよ。とにかく何でも積めるからね。後部はフルフラットシートにしてベッドスペースのまま常用していますが、そのシート下のスペースが結構広い収納になっていて、物入れに使い切っていますよ。いざというときの非常食もたくさん揃えてあるし、バッテリーが使えなくなった緊急の場合も考えて、懐中電灯式のライトの大きなものも設置してありますよ。また、妻は別に車内で調理をするわけじゃないし、シンクでは顔を洗ったり、朝のコーヒーを沸かしたりするくらいやから、就寝スペースは常に広く使えています。そうそう、センターに設置できるテーブルも外していますね。なにしろ、ボクは車の備品がどうのこうのより、酒の愛好家なので、ボトルが4本常備されていないことの方が気になります。観光地に着いたら夕方からここで飲み始めますから、テーブルがあると、コトンと寝られないでしょ(笑)」

安全と快適性重視のキャンピングカーは信頼できる

カモト様(奈良県在住) 40代 利用者:5人 ご夫婦とお子様3人
購入車:バンコン型キャンピングカー(ハイエース)

初めてのキャンピングカーですか?
「もともとグランドハイエース・ミドルルーフのキャンピングカーに乗っていて、そこからの乗り換えです。前は中古で買って10万キロになっていたんですが、とりたてて買い替えも考えていなかったのに、大阪で開かれた春のキャンピングカーショーへ行ったら、なんか、この車がええなぁ、ええなぁ…と(笑)」
では、乗り換えに至ったいきさつを教えてくれませんか?
「まずは内装ですよね。家具とかシートとか。素材が何種類ものなかから自由に選べるのと、シートを展開したときに角(かど)っこがあんまり出ておらず、丸く丁寧に加工されていて、非常に安全に気を配っているのがよくわかったんです。子どももいるから、そのへんは気になりますが、メーカーによっては鉄がむき出しになっていたりして、指を挟みそうで危ない感じの造りとかあって…。意外に名の通った大手メーカーさんの機種に、そんなものが多く見られたりとかね。そういう細かい安全性にまで気を配ってあるメーカーは安心ですよね。その上、この車は、ゆったり寛げる感じの空間を丁寧に造りこんでいる印象でした。ただ、大阪で見たときは、数あるメーカーさんのひとつ…という感じやったんですが、家族で意見をまとめたら、やっぱり家具がしっかりしとる車はええなぁということになったんです。けど、出展メーカーが多すぎてどこがどのメーカーさんやら、わからんようになって(笑)。で、もう一回別のところで見る機会があって、あ、そやそやこの車やったわ…とすぐにわかって、家族みんなで最終的に決めたんです」
カモト様
新車では、どんな使い方をしていますか?
「ゆったり寝られることを重視していたので、クッション性を考えますよね。まず驚いたのが、シートの厚みが、よそのメーカーさんの倍もあるんですわ。前のグランドハイエースはもうちょっと薄くて…。それでもよかったんですが、寝て起きたときに疲れているんですよね。もう、ぜんぜん疲れがとれなかったんです。ところが、この新車の中で寝て起きたときに、ほとんど疲れていないんです。だから、ちょっと仮眠しようかぁ~というときも、みんな、ぐっすり寝入ってしまうんですわ(笑)。
前車は、長さは長いんですけれど、幅があんまりなくて、今はワイド幅なので、子どもが横向きに(車輪の軸と同じ方向に)寝られるんです。とにかく室内全体が広い。この機種は、車内空間をいっぱいいっぱいまで有効に使えるように造られているからなんでしょうね。
後部にセッティングした2段ベッドは、取り外さないと走行中にルームミラーからバックが見にくいだろうと思っていたのですが、そのままに設置しておいても視界の邪魔にならないので、積みっぱなしにしてあります(笑)」
実際にキャンピングカーの利点をどう活かされていますか?
「たとえば、どこか旅館にでも泊まろうとすると、夕食のこともあるから、まぁ、だいたい午後4時には入らないといけませんよね。でも、渋滞もなく運よくチェックインできたとしても、旅館に入ってしまうと夕食まで何しようかぁ~って、時間つぶしに困ることもあるんですよ。
でも、それがキャンピングカーで車中泊することを前提とすると、食事は、ここ美味しいそうやなぁ~って家族で旅雑誌を見ながらワイワイ言って訪ねるという愉しみも広がるし、最近ではあちこちに登場した日帰り温泉を探して、どこ入ってみよかぁ~とあれこれ話し合うのも楽しい。宿泊時間や夕食時間に縛られずに、時間を自由に使えるのが、何よりの利点ですね。
わたしの仕事は、休日が不定期なもんで、急遽、休みが決まったりすると、事前に宿の宿泊予約をとるということが難しい場合が多いんですよ。そんなとき、キャンピングカーで移動して前泊し、翌朝から現地で存分に遊べるというスタイルは最高ですね」

飽きのこないデザインと高品質が決め手

オオツカ様(福井県在住) 40代 使用者:5人 ご夫婦・お子様・お祖母様
購入車:バンコン型キャンピングカー(ハイエース)

ファミリーカーからキャンピングカーに乗り換えた、と伺いましたが、それはどんな理由からですか?
「いろいろと車を使った泊りがけの遊びをしたいなぁ…と思うようになったからですね。子どもも大きくなっていくし、家族を乗せて、みんなで遊びたいというね」
ずいぶん前から着々と導入計画を練っておられたのですか?
「いや、そうじゃないんです。そもそもハイエースを使ってキャンピングも楽しめるということ自体を知らなかったくらいなんですから」
では、周囲にそんなキャンピングカーライフを送っているご友人とか知人がいらして影響を受けたとか?
「いえ、たまたまインターネットで、いろいろ車とレジャーのことを調べているうちに、ハイエースタイプをキャンピングカーにできるという情報を得たんです」
数あるキャンピングカーのなかから、この機種を選ばれた決め手は何だったのですか?
「機能的にはよく似た装備の車やアイディアをもつメーカーは多いんですが、デザインと品質の良さが光りましたし、それらを含めた総合的な判断です。飽きのこない上品なデザインは他社にはありませんでしたね。決定的だったのは、会社のものづくりの姿勢とスタッフの人柄に信用を置けた点でしょうか」
その家具や内装の魅力は、実際に使ってきてわかりますか?
「品質がよいのは言うまでもありませんが、実際に使ってみて、家族の評判がいいんです。 とくに子どもが非常に楽しそうで、車の中で寝るのが嬉しくて仕方がないみたいです(笑)。 車の走行距離は以前に比べて圧倒的に伸びましたし、車というものに対する考え方がガラリと変わりましたね。月1回~2回はこの車で遠出をするようになり、行動半径も広がりましたよね。何よりも、何か月も前から宿の予約をとって旅の計画を立てるという必要がなくなり、気軽に出かけられるのが素晴らしいです。そんな気にさせてくれる車だから、満足感は大きいですね」
オオツカ様
使われている素材の感じはいかがですか?
「ああ、とくにシートの材質が上品でしっかりしていますし、クッション性がいいです」
奥様に伺いますが、車中で調理などされますか?
水まわりは、お湯を沸かしたり、洗面に使うくらいですね。トイレとお風呂は外で借りられたら十分という、割り切った考え方でこの車を選びましたから」
お祖母さまに伺いますが、乗り心地はいかがですか?
「楽ですね~、素敵です。今までと違って室内が広いし、過ごしやすいです」
ご主人様に伺いますが、購入してから、ご自分で工夫して付け加えていったところはありますか?
「もう、購入時点でいろいろ注文を出して、大きな基本セッティングは、自分で納得するように仕上げてもらっていますから、あとは、小さな備品をそろえるかどうか…といった程度で済んでいますね」
そうなると、当初の購入予算はオーバーしていますか?
「ええ、そりゃもう…(笑)。でも、子どもが小さいのでチャイルドシート2つ付けても余裕はあるし、夫婦と子ども2人とおばあちゃんと5名が休めるよう、2段ベッド化も可能にして、室内空間を自由にレイアウトできますから、納得の価格でしょうね。それだけの価値があるキャンピングカーだと思います」

車中泊機能をフル活用して趣味を深める

イズハラ様(愛知県在住) 30代 利用者:4人 ご夫婦・お子様
購入車:バンコン型キャンピングカー(ハイエース)

ご購入後は、どんなふうに使っていらっしゃいますか?
「もう、週末にはこれに乗って出かける機会がうんと増えましたね(笑)。基本的には、自分の趣味である釣りの車中泊カーとして選択したんですが、家族旅行にも絶大な威力を発揮していますよね」
ルーフにはキャリアがついていますが…
「釣りと共に、カヤックを趣味にしているものですから、それを乗せるのに使っています。側面には、その上げ下ろしのためにオーバースライダーを付けています。ですから、初めからポップアップルーフは考えていなかったんです。長期逗留型のキャンプを想定していたわけではないし、家族で車中泊をする場合は、就寝スペースを2段ベッドにできる仕様にしたので、それで家族4人、十分快適に寝られるんですよ」
釣りもカヤックも家族旅行も…と、キャンピングカーは大活躍ですね!?
「週末使用の完全行楽車なので、めいっぱい遊んでいます。キャリアを付けた分、車高が高くなりましたが、全体に2.3mに収まるようにローダウンして調節してあるんです。乗用車タイプからの乗り換えですが、やはり、遠出の釣行の場合、前泊しても車中で快適に寝られると、釣りそのものに余裕が生まれますよね。日本海や紀伊半島まで走って、そこで釣りのポイントの近くまで行き、ゆったりと構えられます。食事は外でとればいいので調理装備がスタンダードに付く車は不要だったのですが、トイレだけは簡易トイレを積んでいます。トイレだって外を利用すればいいのですが、釣りの場合、トイレがない場所が多いので困るんです。積載スペースは十分すぎるほどありますから、キャンプをしない分、釣り道具など趣味のもの以外はほとんど積まないので、就寝スペースは広く使えています。何しろ、釣りもカヤックも一日中楽しむと贅沢なことに結構疲れますからね(笑)。ぐっすり寝られる場所がすぐそこにあるという利点は、何ものにも代えがたいですよ。今後は、寒い季節の防寒対策で、FFヒーターが必要かどうか自分の使用状況を考えながら、見極めていくつもりです」
イズハラ様
架装された家具や仕上げについてはいかがですか?
「この車を選ぶ前には、各社いろいろ見てみたんですが、見れば見るほど、細かいところが気になってくるもんです。初めはいいなぁと思っていたものも、材質が安っぽかったり、化粧板もヤワだったりとわかってきて、外面のデザインだけで造りこみが甘い家具が結構多いことに気づいてね。目が肥えてくるんです。本物が何かということがわかっている会社でないと不安ですね。スタッフの対応も丁寧で、プラスαのことをきちんとやってくれるビルダーを選ぶべきです。釣りの道具やカヤックなど、濡れやすいものを乗せるので、シート生地は撥水性の高いフェイクレザーにしたのですが、何種類ものなかから自由に選べたし、ここをこうしたらどうか…という提案型のアドバイスをいただけたのも助かりました
ご予算との兼ね合いはいかがですか?
「十分に満足していますよ。当初の予算は400~500万円の間でしたが、結局、オプションなどあれこれ付けて、最終的には550万円になりました。でも、初期投資でしっかりしたものを備えておけば後が安心ですしね。宿泊先での家族全員の宿代などを考えたら、むしろお買い得じゃないですか」
ますます活用範囲が広がっていきそうですね?
「そうなんですよ、先日も、三重県伊賀市のモクモクファームに家族で出かけたら、ちょうどそこに同じシリーズのキャンピングカーの方がいてびっくりしました。お話しすると大阪の方で、購入されたばかりと伺って、急に親しみが湧きましたね。こんな出会いと広がりもあるんだと知って嬉しかったですし、この車といっしょに家族ぐるみで過ごす時間も増え、何かこう、ワクワクしますよね。乗用車に乗っていたときには味わえなかった世界が一挙に開けてきた感じです

本物のキャンピングカーで夢の実現を

さて、いかがだったでしょうか。おそらく100人のユーザーの方がたに伺えば100通りの感想や思い入れの言葉が返ってくるでしょう。家族でのキャンピング旅行、定年退職後にご夫婦ふたりだけで全国をめぐるクルマ旅、愛するペットといっしょの自由旅行、趣味にフル活用できる車中泊仕様の長所…。インタビューのなかからいくつかのポイントとなるバンコン型キャンピングカーのメリットを抽出し、改めて列挙してみましょう。

  • あらゆる遊びの用途に対応できて、家族や仲間との楽しい時間が一挙に増える。
  • 宿泊地を気にしない自由な旅ができるし、どこでも車中泊ができるので疲れ知らず。
  • 宿泊代が節約できるので、長旅になればなるほどお財布にはやさしい。
  • ペットと同居できる移動空間としては最高の機能と快適性を備えている。
  • お年寄りにも優しいフラットスペースになり、広い就寝空間を得られて、くつろげる。
  • 日常生活との兼用ができるボディサイズだから重宝している。
  • いざというときの簡易トイレも積めて、災害時の避難場所として存分に機能する。

こうしてキャンピングカーのさまざまな活用例やメリットを知ることができましたが、ご登場いただいたユーザーのみなさんに共通していることは、キャンピングカーを手に入れなければ決して味わうことができなかった自由な世界を、心から楽しんでいるということです。そして、ユーザーのみなさんは、キャンピングカーを選ぶ際に購入のポイントをどこに置くか、どんな使い方をするのかを明確にし、それらの選択基準に従って最良の1台とめぐり逢っていることもおわかりいただけたことでしょう。逆に言えば、自分も家族もとことん納得できるキャンピングカーを購入することができたからこそ、時間にしばられない自由なキャンピングカーライフを手に入れることができたというわけです。購入した車が納得のいかない後悔だらけの機種であったなら、ここでご紹介したユーザーの方がたのようなワクワクする気持ちの代わりに、愚痴や不満や反省しか口をついて出なくなるでしょう。自分たちを本当に幸せにしてくれたキャンピングカーだからこそ、まるで家族の一員のようにいとおしく思えてならないようです。こうした気持ちがひしひしと伝わってくるインタビューでした。

乗用車には乗用車のよさがあり、キャンピングカーにはキャンピングカーならではのメリットがあります。しかし、もし1台しか所有できないとなったとき、日常使いにも兼用できる利便性の高いバンコン型キャンピングカーに一度でも乗ってみると、なかなか乗用車タイプのミニバンには後戻りできないと語る人が多いのです。その理由のいくつかは、ここにご紹介したユーザーの方がたの生の声のなかに含まれています。

お子様の成長過程のなかで、一緒に遊べる期間は限られています。そんな時間を大切にしたいお父様やお母様には、ノープランで自由時間を楽しめるキャンピングカーは、家族の絆づくりにはうってつけだそうです。また、待ちに待った老後のご夫婦ふたり旅にも最適な室内空間が約束されますから、これからの第2の人生を心ゆくまで楽しめるそうです。

ご紹介したユーザーのインタビューのなかにもありましたが、キャンピングカーショーなどで実際の車両に触れ、各社さまざまに工夫を凝らした最新機種を比較しながら見ていくうち、初めはいいと感じた機種もしだいに色あせて見えてくることがあります。まさに「目が肥えてきた」ということなのです。

こうなりますと、家具の品質や建て付けの善し悪し、ベッドのレイアウト、照明がインテリアと溶け合うかどうか、荷物の積載スペースは十分かどうかなど、あらゆる装備や仕上がり状態が気になって、すべての機種を比較検討してみたくなるものです。これはとても大切なチェックなのですが、人によってはあまりにも情報が増えすぎて、しだいに訳がわからなくなり、車両全体のコンセプトを見逃してしまうこともあるようです。なかには、当初考えていた自分の使用目的すら忘れ、違う方向へ心惹かれて過剰な投資を余儀なくされ、結果的にはとんでもない失敗を経験した人もいます。

こうした混乱や遠回りを避けるためには、プロフェショナルならではの見究めテクニックがどうしても必要なのです。プロフェショナルは、みなさんの夢を叶えてくれる「本物の1台」に到達するまでの筋道や情報を知り尽くしているからです。今までは、とにかく早く、沢山売りたいが故に、このテクニックがオープンにならず、おろそかにされてきたせいで、買ったことを後悔したり、仕方なく我慢して乗りつづけるユーザーが増えてしまったのです。

いよいよ次の章からは、このプロフェショナルによる「失敗しないキャンピングカーの選び方」をみなさんといっしょに学んでいきたいと思います。

第2章 選ぶ基準を知る

事前準備と購入計画の必要性

今まで車を買うといえば、メーカーが造った既製車を買うだけの一方通行的な受け入れ方が主流だったのですが、キャンピングカーのように既製車にさまざまな装備を架装して、ユーザーの使用目的に合致するように仕上げたオリジナル車も入手できるようになり、ユーザーの理想を製造段階から反映できる双方向的な買い物が可能になってきたのです。メーカー販売店のみならずキャンピングカー・ビルダー(架装会社)からも車を買えるという選択肢の広がりは、車社会やライフスタイルに大きな変革をもたらしました。まず何よりも特筆すべきは、次に車を買い替えるときに「キャンピングカーに乗りたい」とお考えの方が飛躍的に増加したことです。かつては高嶺の花のような存在であったキャンピングカーが、グッと身近なものになった証拠です。こうしたトレンドを牽引してきたのが、日常生活でも使い勝手のよいバンコン型キャンピングカーだったのです。

「キャンピングカーに乗りたい」とお考えの方は、時間に拘束されない豊かで自由な暮らしを実現したい、そのためには今のライフスタイルを変革してくれそうなキャンピングカーはどうだろうか…そんな思いを漠然と抱いておられるのではないでしょうか。とくに第1章でご紹介したように、現役ユーザーのみなさんの充実したキャンピングカーライフを知ってしまうと、はやく自分もこんな世界を味わってみたいと夢は膨らむばかりではないかと思います。しかし、飛びつく前によく考えなければならないことがいくつかあるのです。登山でもそうですが、山頂を目指すには地図も必要ですし、どこで休憩をとっていくか、水場の確保は大丈夫かといった計画も大切です。参加者が登山経験の浅い家族連れであれば、いきなり険しい高峰にアタックするのは無謀ですし、ルートの状況や季節にあわせて身につける装備も違ってきます。やはり、山をよく知るベテラン・ガイドに従って、楽しいチャレンジをすることが登山の基本なのです。キャンピングカー選びでも、目的や使い道をひとつひとつ明らかにし、家族で楽しむならば家族の意見をひとつにまとめておくなど、事前準備と購入計画はとても大切なことなのです。

わたしの経験では、1人1人にあった車種の選択とともに、使用する環境にあったカスタマイズを親身になって提案してくれるアドバイザーが必要であると思います。キャンピングカーの選択とカスタマイズは、そう簡単なことではなく、ときには資金計画の変更も必要な場合があります。そんな局面で的確な判断を下すには、親身になって考えてくれる専門家が付いていなければ、自分の意思だけではなかなか決断できるものでありません。自分の判断を優先した結果、妥協に妥協を重ねて購入を決めたモデルが、結局は安物買いの銭失いになったり、高額な割には飽きの早いデザインで品質も見劣りしてきたりと、大きな失敗を招くことが頻繁に起こるのです。この章では、「キャンピングカーに乗りたい」という漠然とした思いにしっかりと形を与えるための基礎知識と準備をご紹介していきます。

ハイエースキャンピングカー

キャンピングカーの本質的な価値

ここで、あらためてキャンピングカーがわたしたちにもたらしてくれる価値というものを見直してみたいと思います。インターネットや情報誌などを見ながら、どことなくポイントは理解しながらも、実際に整理してみると、キャンピングカーからどれほどの恩恵や利益を得られるかが、はっきりとわかってきます。家の次に高い買い物になる可能性が高い車の購入ですから、しっかりと確認しておく必要があるでしょう。わたしは、キャンピングカーの本質的な価値をおおよそ4つに分けて考えてみました。

  1. 利便性
  2. 快適性
  3. 利益
  4. 自分や家族に残してくれるもの

①から④それぞれのなかに、どんなメリットが含まれているのか、みなさんもいっしょに考えてみましょう。どんな高級車であっても一般の乗用車タイプであったなら絶対に実現不可能なことも、キャンピングカーでならあっさりと実現できてしまうこと、それこそがキャンピングカーがもつ魅力なのです。第1章でインタビューに応えてくださったユーザーのみなさんの声も集め、今までの経験から気づいたこともいっしょに盛りこんでみました。

  1. 利便性……時間を手の上に乗せて行動できる
    • 宿の心配がないので、どこへ行くにも自分の計画で自由に行動できる。
    • 愛犬が家族にいる場合、車のなかでいっしょに就寝できるので、宿の都合で行動しなくてもよくなる。
    • ボディサイズを普段使いできるバンコンのようなサイズにすれば、機動力も高まり、駐車場に困ることもなく、春の桜や紅葉など期間限定のチャンスを逃さなくなる。
    • 道の駅やRVパーク、全国どこにでも点在する日帰り湯施設など、クルマ旅に便利なインフラが急速に整備され、どこへでも気軽にクルマ旅に出かけられるようになった。
  1. 快適性……就寝機能・電源・水回りが付加された
    • キャンピングカーにとって最大の特徴は、“寝る”を快適に実現できること。クルマ旅はもとより、釣りやスキーなど趣味やレジャーでの車中泊も可能に。ポップアップルーフを装備すれば、キャンプやバードウォッチング、写真撮影なども快適にできる。
    • 電気が使えるようになることで、冷蔵庫を稼動させ、旅の道中の飲み物や要冷蔵のお土産の保存も可能になる。FFヒーターや電気毛布(消費電力に注意)など冬場の暖房も可能に。電気ケトルでお湯を沸かしたり、バッテリーを強化すれば電子レンジなども使える。
    • 洗面用のシンクをもつタイプでは、給排水機能をもち、なかにはシャワーを備えた機種もある。ここまでそろうと移動する家屋のような安心感が生まれる。
就寝スペース
  1. 利益……宿泊代の節約
    • 無駄な宿泊費がまるまる節約できる。1家族3人から4人でホテルに宿泊した場合、1泊でおよそ3~4万円はかかるので、単純に1年間に12泊、つまり1ヶ月に1度使えば、1年で30万円以上、10年で300万円以上の節約ができる。
  1. 自分や家族に残してくれるもの……思い出
    • わたしたちがよく耳にすることは、「子どもたちが小学生のうちに、いっしょに少しでも多くの時間を過ごしたい」という声。子ども時代にどれだけ楽しく過ごせたかで、子どもの将来をも豊かにできる。ちなみに、キャンプ遊びを家族で共にしていた子どもは、大きくなったときの「家族の絆」が深くなる傾向が強いというデータもある。

過ぎた時間は二度と帰ってはきませんから、車中泊旅行やキャンプ旅行で親しい人たちと大切な時間をわかちあいたいものです。とくにオートキャンプでは、キャンピングカーライフを共有する者同士に不思議な連帯感が育まれ、毎回新しい人の繋がりが生まれます。ここに挙げたキャンピングカーの4つの価値のほかにも、いろいろあるとは思いますが、一文でキャンピングカーの基本的な価値を要約してしまえば、「宿泊費を節約できて自由に行動できるので、時間にしばられずに旅行、キャンプ、趣味、レジャーを満喫し、人生をより豊かにのびのびと楽しむことができる」ここに尽きるように思われます。

対価以上の価値をもつキャンピングカー

前段で見てきた「キャンピングカーの本質的な価値」のなかで、「③利益……宿泊代の節約」についてさらに検証すると、キャンピングカーはたくさん遊びたい人が購入する車ですから、年間10泊どころか20泊も当たり前、というユーザーが大勢います。キャンピングカー白書(日本RV協会調べ)のデータによりますと、キャンピングカー利用者は一度に平均2~3泊しますので、年間20泊すると仮定し、それを10年間つづければ600万円も宿泊費換算で節約できることになります。

キャンピングカーを600万円で購入したとしたら、10年で600万円の節約によって、車の購入代金はタダ同然になるという勘定です。ハイエースベースならば10年~15年は十分に活躍してくれますから、いよいよ安心です。さらに申し添えれば、ハイエースベースのキャンピングカーの場合、リセールバリューも圧倒的に高いため、その対価を含めて考えれば、非常に安い買い物になると断言できるでしょう。

ハイエース クラッシクバン

また、それ以上にお金には代えられない家族の楽しい思い出が残っていくわけですから、快適で耐久性もある高品質なキャンピングカーさえ選択しておけば、不愉快な思いをせずに、有り余る価値を積み上げることができるのです。これが、キャンピングカーが本来もっている「対価以上の価値」という魅力なのです。ここを忘れたキャンピングカー選びこそ、わたしがもっとも警告しておきたい選択の誤りなのです。

キャンピングカーそのものの品質を見究める必要もありますが、粗雑な造りのキャンピングカーを安易に生産する製造会社や取扱い販売店の質というものも見究める必要があると思います。しかし、ベテランのユーザーならいざ知らず、キャンピングカー入門者の方がたには、ここまでの見究めはとても困難です。そこでプロフェシナルのアドバイスが、大きな手助けになると思います。

親子と焚火

次の章からは、キャンピングカーの購入を検討されているみなさんのために、「キャンピングカーの選び方」「よくないキャンピングカーから逃れる方法」をお話ししていきます。そこでお伝えする内容は、裏も表もない正直な評価と分析に基づくものですから、販売店にとってはかなり耳の痛い話も出てくるでしょう。しかしそれは、わたしたちビルダー各社にも言えることなのです。

第3章 キャンピングカーの選び方

キャンピングカーのタイプ

キャンピングカー選びを進める前の準備段階として知っておくべき大切な基礎知識があります。それは、キャンピングカーのタイプです。まえがきの「ご覧になる前に」のなかでも少し触れましたが、ここではあらためてタイプの全貌をつかんでおいてください。大型でフル装備のキャンピング機能をもったものから、軽自動車をベースにしたコンパクトなものまで、以下のとおりに分類されます。車体が大きい順にご紹介します。※文中のコンバージョン(Conversion)とは、改造とか改装を意味します。

フルコン
(フルコンバージョンクラスA)

輸入車によく見られる大型タイプで、専用シャーシを製造し、その上に運転席や居住スペースをすべて架装したフル装備モデル。

バスコン
(バスコンバージョン)

マイクロバスをベースに内部を改装したモデル。

キャブコン
(キャブコンバージョン)

トラックのシャーシ部分に居住空間を架装したタイプ。ハイエースの天井部を加工してキャンピングシェルを上乗せするボディカットタイプ(ボディカットキャブコン)もある。

バンコン
(バンコンバージョン)

おもにハイエースなどのミニバンをベースに、内部をキャンピング用に架装したタイプ。ライトエースやNV200などをベースとしたコンパクトなタイプもある。3ナンバー登録の車中泊モデルも広く浸透している。日本の道路事情に適合したサイズのバンコンは、現在キャンピングカー市場のなかでは人気ナンバーワンである。

軽キャンパー

軽自動車に就寝機能や家具を架装したタイプ。

トラベルトレーラー

車体そのものには動力をもたない、けん引タイプのキャンピングカー。(トレーラー重量が750㎏を超える場合は「けん引免許」が必要)

ピックアップキャビン
(トラックキャンパー)

トラックの荷台に着脱可能なキャビンを搭載したタイプ。通称でトラキャンなどと呼ぶこともある。用途に合わせてキャビン部を取り外しできるが、運転席側とキャビン側とのウォークスルーができないのが難点。

輸入車モデル

上記のモデルとも重複するタイプがあるが、アメリカ大陸やヨーロッパ大陸を長期間移動する目的で製造されたキャンピングカーが多いので、基本的に大型モデルとなる。

「All in Oneタイプ」のキャンピングカー

キャンピングカーも、大きさや利用者の使い方によっていくつかのタイプに分類されることがおわかりいただけたと思います。同じタイプのなかとはいえ、高級素材や豪華装備品をふんだんに使ったラグジュアリーモデルから、シンプルさに徹した簡易モデルまで千差万別ありますし、積載能力を高めた機種や就寝設備を充実させた機種など、お客様の好みや使用目的に特化したモデルもあります。しかし、ここにもうひとつ、All in Oneタイプというジャンルがあることをご存知でしょうか。All in Oneタイプとは、1台のキャンピングカーのなかにあらゆる用途に対応できる機能が収まり、どんな条件下でも使える利便性の高いタイプのことです。

たとえば、大型のキャブコン型キャンピングカーには、トイレ、シャワールーム、洗面機能、キッチン、就寝設備など、それこそ何でも装備されている機種が多いものですから、これだってAll in Oneではないか、と思われがちです。しかし、キャブコンでは高さ制限のある市街地駐車場には入れませんし、細い道の多い住宅街では運転に気をつかい、日常生活との兼用ではいささか無理が生じます。やはり、レジャー用途に特化すべきタイプでしょう。また、重量があり高さもありますから、坂道やカーブが連続する山道では注意深い操作が要求されます。つまり、居室内部の豊かな装備のみならず、日常での使い勝手や扱いやすい操作性といった条件をクリアして、はじめてAll in Oneタイプのキャンピングカーというジャンルが成立するのです。そこで注目されてきたのが、日常生活での兼用も可能なハイエースベースなどのバンコンなのです。

キャンピングカーイラスト

ならば、バンコン型キャンピングカーすべてをAll in Oneタイプと言えばいいではないか、とお考えの方もいらっしゃるでしょうが、「快適な就寝空間」をそなえ、「乗る楽しさが倍増する旅装備」をそろえ、「大きな積載能力」をもつバンコンは、実は意外に少ないのです。この「寝る・乗る・積む」の3拍子が整ったバンコンこそ、All in Oneタイプのキャンピングカーであると思います。乗用車のミニバンと同じ大きさながら、「寝る・乗る・積む」を1台で満たすバンコン。あるときは、趣味のサーフボードやスポーツバイクを積んで出かけ、旅先ではベッドボードを組み立ててゆったりと寝られる就寝空間をつくり、車載冷蔵庫からビールを取り出してビデオを観ながら楽しい晩酌。またあるときは、ベッド下の広い積載スペースにどっさりキャンプ用具や食料を積んで家族キャンプへ。どんな使い方にも対応できる「夢のボックス」とは、まさにこのAll in Oneタイプのバンコンにふさわしい形容かもしれません。

キャンピングカーの普及を支えてきたバンコンですが、この人気にはやはり理由があったのです。国土の70%が山地におおわれ、狭くて曲がりくねった道路の多い日本。少ない平地に人口が密集するので広い空間をもつ住宅がなかなか得られず、地価も異様に高いために車も1台しか所有できない場合が多い日本。こうした日本の道路事情や住宅事情に適合するよう、欧米で花開いたキャンピングカー文化を日本流に解釈し直して造り上げたキャンピングカーが、日本製のバンコンだったのです。そして、そのイノベーションの究極に位置するのがAll in Oneタイプなのです。

目的にあった使い方のできるキャンピングカー

次に、購入を検討する前に、はっきりさせておかねばならないことがあります。それは、あなたがキャンピングカーに何を望んでいるのかということです。そして「目的にあった使い方のできるキャンピングカー」を「対価以上の価値」として認められるかどうかを検証することが大切になってきます。繰り返しになりますが、「対価以上の価値」とは、高額な代金に見合う以上のメリットが得られる、ということです。

ステップ1 どんな場所で使うのか?どんな目的で使うのか?

キャンプ(オートキャンプ)を中心に使いたい場合
すべてのタイプ、すべてのサイズのキャンピングカーで楽しめます。キャンプでは、はじめは軽装備でも、徐々に料理道具や、焚き台、タープなど、かなりの荷物をそろえたくなるものですから、こうした積載を想定しても対応できるレイアウトの車種を選択するべきです。たとえば、床下収納などがあれば、バーベキュー道具など汚れ物を気にせずに積めるので大変重宝しますから、ぜひ装備しておきたいものです。荷物が積めればあとは何とかなりますが、欲を言えば、荷物を積んでも就寝できるレイアウトがもしもの時には安心です。もしもの時とは、急な雨によって荷物を撤収した状態で就寝しなければならない場合や、極端な事例では緊急災害時などです。
キャンプ場で気持ちよく過ごすには、涼しくて風通しのよい日陰が欲しいところです。とくに日焼けが気になる女性には必要な環境です。そこでポップアップルーフがお勧めです。まず何よりも就寝定員が大人2名分増えることは大きなメリットです。次にポップアップしたときにできるスペースが、キャンプベースには欠かせない快適性をもたらしてくれることです。大きな日陰、風通しのよい空間を存分に味わえます。また、車内で立ったまま着替えができることも便利です。ポップアップを上げた状態での室内高は、ハイルーフタイプよりはるかに高く、キャブコンの天井よりも高いのです。ポップアップルーフを上げて使用する場合の一例ですが、テントの窓が開く仕様ならば、2m上空の風を取りこめます。外気温が30℃ほどあっても、ルーフの断熱が太陽の熱を遮り、涼しい風だけを車内に通してくれるので、エアコン要らずの快適な住宅のように様変わりします。涼しい高原などで、昼寝をしたり、読書をしたり、至福の時間を与えてくれます。季節にあったよい場所を選べば、エアコンなどむしろ要らない存在になります。気候にあわせてさまざまな場所を選ぶことも、大きな楽しみのひとつになります。また、湖畔などでキャンプをすれば、目が覚めたらポップアップテントの窓から、きれいな湖の景色と日の出が楽しめたりと、ポップアップルーフの使い方は、あなた次第で無限に広がるのです。ただし、雨天対応の防水仕様になっていることと、防虫ネットが縫い殺しではなくチャックなどで開閉できること、この2つが条件です。季節ならでは装備でいえば、夏場のキャンプではハエや蚊が気になりますから、防虫ネットや網戸なども常備したいところです。冬場のキャンプを想定してみますと、車中泊も含めるのであれば、断熱施工+FFヒーターも必要な装備になると思います。
ポップアップルーフと富士山
旅行(温泉・名所旧跡)など車中泊を伴うクルマ旅を中心に使いたい場合
端に大きなタイプのキャンピングカーでなければ、道の駅やRVパークを活用すれば、比較的対応は可能です。コンビニエンスストアでの駐車については、最近ではトラック対応の傾向が強いので広い駐車スペースをもつところが多く心配は減ってきましたが、旅の道中で市街地のファミリーレストランなどを利用することが多い場合には、バスコンのスーパーロングタイプよりもコンパクトなサイズのモデルを選択する必要があります。クルマ旅の場合は、キャンプほど荷物は必要ないので軽装備でよいと言えます。最低限の電源は必要ですが、何よりもゆったり就寝できるベッド空間とベッドマットを展開し易い車内レイアウトが求められます。日本は、コンビニエンスストア、道の駅、日帰り湯、RVパークといったインフラが整っていますから、トイレ、シャワーの装備はほとんど必要ありません。トイレはもしもの時の保険として、ポータブルタイプのものを搭載しておくとよいでしょう。車内で調理をしたいためにグリル機能や大きめの洗い物シンクを装備したいという方は別ですが、基本的にシンクというものは、寒い冬でも女性がいちいち外に出てストレスを感じないように、安心して車内で洗顔と歯磨きができる機能が充実していればよいのです。
キャンピングカーシンク蛇口
ディズニーランドなどのテーマパークへ行くことを中心に使いたい場合
テーマパークの場合は、出かける頻度の高い場所へのアクセス時間、車内での滞在時間、車内での過ごし方をよく考えてみたいものです。クルマでの滞在時間をホテルのように過ごしたいのであれば、キャンピング装備がキャブコンのように、充実している方がよいでしょう。洗顔、歯磨き、身支度などに不自由しないスペースのゆとりもほしいですし、お子様の乗車が想定されますから、お子様とともにゆったり寝られるだけの面積をもつフルフラットベッドや、4~5人でも広々と使えるような対座ラウンジなどが、非常に使い易いと思います。できれば3人掛けシートをもつ対座レイアウトをお勧めします。いっぽう、滞在時間が短く寝るだけであれば、ベッドが主体の軽装備な車内レイアウトで構成される車種がよいでしょう。トランスポーターのようなタイプや、2人しかメインに使わない場合なら、軽キャンパーでもいいでしょう。
キャンピングカーベッド
スノーボード・サーフィン・サイクリング・釣りなどの趣味やレジャーで使いたい場合
遊び道具を搭載する必要がありますから、荷室が広いレイアウトのバンコン、トランスポーター(運搬・積載機能が充実した車)モデルのバンコンが向いています。海や山へ移動する場合、整備されたキャンプ場以外のスポットでは、どんなルート状況かわかりづらい場所もありますから、ハイエースクラスのバンコンか、それ以下のサイズのモデルが望ましいと思います。とくにハイエース・ナローボディーディーゼル4WDは、ボディサイズもコンパクトですが、収納力、走破力、耐久性ともに優れているのでお勧めです。海や山でのスポーツ、そして趣味で使う場合には、それぞれの目的にあった道具の積みこみをともないます。初めはレンタルで借りていても、楽しくなると自分だけのアイテムがひとつひとつ欲しくなるものです。こうなってくると、自転車やサーフボードなど長物の積みこみに対応できる装備、機能、レイアウトが必要です。キャンピングカーにしても、シンプルなトランスポーターにしても、セカンドシート以降にスライダーレール機構を付加する必要があるかどうか、そしてスライダーレール取り付けに対応できるモデルなのかどうかも、事前によくチェックしておきましょう。スライダーレール機構とは、床に敷設したレールを使ってセカンドシートやサードシートを前後に移動させることが可能な機能のことです。それぞれのシートがバタフライ式といって縦に二つ折りできるタイプのものであれば、シートを畳んでも幅をとりません。それらをレールで滑らせて運転席の背後にまとめてしまえば、車内後部に巨大な荷室(ラゲッジスペース)が出現するのです。 こうした機能が、将来的に自分の趣味使いに大きなメリットを及ぼすものかどうかをよく見究める必要があります。また、釣り用のロッドホルダーや、収納パーツ、内外装品などアフターパーツがたくさん出ていますので、よく調べて活用することをお勧めします。さらに付け加えておきますと、トランスポーター系のキャンピングカーの場合、電源関係などのキャンピング装備は、必要最低限でよい場合が多いものです。
キャンピングカーベッド

ステップ2 どんな状況(場面)で使いたいのか?

利用状況・利用場面・利用環境
  1. キャンプ場などアウトドア専門に使うことが中心で、普段はあまり利用せず、キャンピングカーを使って市街地に出向くことはほとんどない。
  2. キャンピングカーは、日常でメインに使う車とは別に保有する。
  3. 最適なモデル
    中型から大型のタイプの機種で、キャンピング用のフル装備・フル機能をもったキャンピングカーが向いています。
  4. 普通車クラスの車を2台所有するのは経済的に効率が悪いので1台にして、日常使いとキャンピングカーとしての使い方を1台に共存させたい。
  5. 市街地でも普通に使いたい(立体駐車場・平面駐車場・ファミリーレストラン駐車場などへも自由に入れることが条件)
  6. 家族のメインカーとして使うため、長距離ドライブや山道走行でも安全でゆとりある走りができる走破性の高いキャンピングカーがほしい。
  7. 個人的な趣味の道具を満載して車中泊したい。
  8. 最適なモデル
    過剰な架装重量をもたないバンコンクラスのAll in Oneタイプを選ぶ必要があります。
  9. 利用するのは1人~2人で、普段から手軽に使えて、キャンプや小旅行、釣りやボード遊びなど何にでも使いたい。
  10. とにかくランニングコスト(維持費)を安く抑えて使いたい。
  11. 最適なモデル
    最近になって人気急上昇中の軽キャンパーも有力な選択肢です。

ステップ3 どんなイメージのキャンピングカーが欲しいのか?

この段階からは、「ステップ1」と「ステップ2」で固めた希望タイプのなかで、どんな装備を付けたらよいのか、どんなインテリアデザインにすべきか、快適性を左右するベッドはどんな素材がよいのか、そして電源やヒーターはどうするか…といった、かなり具体的なお話になってきます。キャンピングカーを初めて購入される方にとっては、ここからがもっとも楽しい時間になるでしょう。「ステップ1」と「ステップ2」でキャンピングカーのタイプを絞るとができると、すぐにでもキャンピングカーショーへ行き、実車に触れてイメージを掴みたくなるものです。ハイエースベースのバンコンであれば、同じタイプの機種は数多く出展されていますから、各社がどんな個性を主張しているのか、どこに力を入れたキャンピングカーづくりをしているのか、そして家具にはどんな違いがあるのかなど、思い定めた使用目的に沿って、いろいろ見比べてみたくなるものです。キャンピングカーショー会場を家族でめぐるのは、イメージづくりのためにも貴重な体験となるでしょう。でも、ちょっと待ってください。実は、ここでつくられた「イメージ」がニセモノになってしまう場合があるのです。キャンピングカーの装備や材質や製造工程の背後に隠された「落とし穴」を知らなければ、誤った理解のまま、「印象」というあいまいなものによって、買いたい気持ちが左右されてしまうことがあるのです。

高額な買い物を見た目の印象で判断してはいけません。誤った情報を集めてつくられたイメージほど恐ろしいものはないからです。そうした間違いを犯さないためにも、キャンピングカーショーへ行く前に知っておくべきことがあるのです。あるいは、すでにキャンピングカーショーや展示会へ行って、さまざまなモデルに触れたことのある方がいらっしゃるかもしれません。しかし、こうした方がたもここからお話しする内容をご理解いただけたら、あいまいな印象は吹っ飛んでしまうに違いありません。ましてや、数百台が一堂にそろう大規模な会場になかなか行けない方にとって、よりよいキャンピングカーを選ぶための指針やアドバイスは、何よりも心強いでしょう。

「ステップ3」は、どんなイメージのキャンピングカーがほしいのですか、というみなさんへの問いかけになっています。その問いかけに、わたしがユーザーの立場になって答えを出せば、「装備も素材も高品質で耐久性があり、飽きのこないデザインをもった、快適性重視のキャンピングカー」ということになります。わけても、本物のキャンピングカーの基本条件として大切なことは、素材も造りこみも仕上げもデザインもすべて高品質でなければならない、という品質の問題なのです。以下に、品質の差についてランク分けしたものを見ておきましょう。

《1》品質 Aクラス

デザインに明確なコンセプトがあり、装備から建てつけまで安全性を重視した頑丈な造りこみがなされ、それぞれの機能が快適性と使いやすさに優れ、非日常へといざなってくれる夢と癒しに満ちた空間(落ち着きのある安心感)をもつ機種。個別のカスタマイズへの対応が整っていることも条件となります。10年以上経っても大切にしたいと思える本物の造りこみがしてある機種は、すべてこのレベルです。

《2》品質 Bクラス

とくに際立つコンセプトはないが、全般的に家具やシートなどの品質はよく、使いやすさにも優れている機種。このレベルの造りならOKという需要も確かに多いので、ある程度のコストダウンを重視するのであれば、個別のカスタマイズに対応できる機種を選ぶことによって、納得できるキャンピングカーとなり得るランクです。

《3》品質 Cクラス

デザイン性は感じられず、どちらかというと無難かつ凡庸にまとめられた車内空間で、家具などの品質は劣るが、キャンピングカーとしては機能するもの。こうした機種は、実際に使用してみると、ベッドを組み立てるパーツ点数が多すぎて面倒になったり、重たいベッド展開のためにベッドを使わなくなったりと、購入したあとから使いにくい部分が露呈し、がっかりさせられることが多いものです。たとえ安く購入できても、売るときも安くなってしまう機種です。快適に使えなかった期間が、まるまる損したことになってしまいます。

《4》品質 Dクラス

見えない部分への安全配慮がまったくなく、家具の材料は粗悪で組み付け精度も悪く、色あせした塗装、ひび割れ、木の反りなど経年変化や劣化の著しい粗悪なもの。新車状態では見た目にはよく見えるものもあるので注意が必要です。車種のカテゴリーによる特徴では、キャブコンのシェルなどの外装で、つなぎ目の部分に接合不足や剥離などがある車種も存在するので要注意です。Cクラスと同様に、安く購入できても、売るときに安ければ、快適に使えなかった期間がそのまま損失になってしまいます。

これからみなさんといっしょに、印象ではなく実質をよく理解するためのテクニックを学んでいけば、おのずと本物のキャンピングカーが見えてくるはずです。それはイメージを本物に近づけるための道のりです。ここを歩きとおせば、間違いなく望みどおりのキャンピングカーにたどり着くことができます。さあ、いよいよプロフェシナルの分析やアドバイスが必要になってくるタイミングです。ここからは、各モデルの装備・材質・デザインセンスに至るまで、ひとつひとつ吟味し評価していく具体的な内容になりますから、章をかえて詳しくお話ししていきます。次の第4章では、「キャンピングカーの選び方」のなかでもっともシビアな「本物かどうかを見究めるテクニック」を披露します。

第4章 よくないキャンピングカーから逃れる方法

キャンピングカーに「本物」があるのなら、「本物でない」ものもあるはずです。本物とは製品にウソや偽りがなく、製造姿勢・製造技術・素材・デザインなどどれひとつとってもハイクオリティであることです。しかし現状では、この品質について各モデルの間に大きな落差があるのです。

ビルダーの技術力によって決まるキャンピングカーの質

日本の工業製品は、優れた技術力と高い精度の工作機械によって生みだされ、その品質は世界のなかでもトップレベルにあります。こうした「ものづくり」の風土を支えてきたのが、職人技といわれる緻密な手仕事の積み重ねです。キャンピングカー製造の過程でも、この手仕事に頼るところが多く、とくにインテリアの雰囲気を決めるクオリティの高い家具の製造では、機械だけでは出せない微妙な加工や仕上げ作業が必要とされます。ここで手を抜くか、ひと手間かけても粘り強い仕事をするかによって、製品に大きな違いが出てくるのです。

キャンピングカービルダーの特徴は、車両本体の製造メーカーが生産ラインではできないことを手作業で行なうため、必然的に職人的な技術力が求められるということです。しかし、こうした技術力が未熟なビルダーですと、設計コンセプトを立てる段階から低い技術力を基準にしたものづくりになってしまいます。こうした事情から、数あるビルダーのなかでも製品に大きな差やバラツキが出てしまうのは、避けられないことなのです。実際に、いつまで経ってもあまり進化していなビルダーは、現場教育が不十分というだけでなく、お客様からのニーズに対する挑戦や、新たな技術の進化への取り組みがされていないために、いいものを造りたくても造れないのが現実なのです。本稿では、「ものづくり」の本質に関わる品質にこだわって、それぞれの装備がしっかりと造りこまれているかどうか、具体的な例を挙げながら見究めていきたいと思います。みなさんが本物を見抜くために、どこに注意して見たら「よくないキャンピングカー」とわかるのか、そのポイントをお話ししていきます。キャンピングカーを評価し、善し悪しを判断できる「モノサシ」さえあれば、どんなモデルを見ても間違えたりブレたりすることはありません。

家具

「家具」の善し悪しを見究める

専門誌やパンフレットに載る写真で見たキャンピングカーはきれいだったのに、実際に現車を見た瞬間、「あれっ」と思った方は多いものです。しかし、何も知識がないままに、販売店側のセールストークに耳を傾けているうち、ほしい気持ちが高まってくると、どこかにひっかかりや疑問があっても、「こんなものなんだろう」と勝手に納得してしまいがちです。展示会で来場者からよく耳にするのが、「いろいろ見てきたけれど、家具の造りやデザインがいまひとつの機種が多かった」という言葉です。確かに、現在の建築インテリアにあるようなセンスのよい家具とのギャップを感じるものが多いように感じますし、ホームセンターで販売されているカラーボックスのような単純な造りだとわかるものもあります。

CHECK! 家具の品質は、素材・組み立て精度・塗装とが高度に調和したデザインをもっているかどうかで決まりますから、とくに注意してチェックする必要があるでしょう。

1)輸入家具にはご注意を

家具にかぎらず、粗悪でセンスのない商品からは、誰にでもわかる安っぽいオーラが出ているものです。また、一見よくは見えますが、素材の質が悪く、組み立て精度の低い海外製家具も多く見受けられます。輸入物でも本当によい家具はたくさんありますが、歴史の長いキャンピングカー(キャラバン)文化に精通しているアメリカやヨーロッパで製造されたものではなく、こうした文化が未成熟な国で製造されている家具は要注意です。なぜならば、製造工程に甘さが多く、素材の品質も違いますし、そもそもお客様に喜んでいただくために技術を磨くといった企業努力が希薄だからです。実際に、その製造現場を見れば、キャンピングカーへの期待を裏切るような驚くべき光景を目の当たりにすることもあります。また、良質な建材や天然素材が使ってあっても、乾燥過程などの下準備に手間をかけていなかったり、家具の造作そのものが粗雑なものは、時間が経てば変形、割れ、はがれなどがひんぱんに発生し、過酷な使用環境となる車内では、たったの2、3年でガタや変色も起きます。

造りこんであるのに、質感が乏しいと思ったら要注意なのです。このような製品は絶対に買ってはなりません。なんとなく質感に乏しい家具だなと思っても、他よりも50~100万円安く買えるキャンピングカーだからといって安易に飛びつくと、傷みの早さにびっくりし、しだいに居心地の悪い貧弱な居住空間へと色あせていくさまに愛着も失せてしまいます。結局、「室内で快適に過ごす」という当初の目論見は外れ、ただ寝たり積んだりに使うだけの感動のないキャンピングカーになってしまうのです。そもそも、家具の品質やデザインも含め、全体の調和がとれていない「コンセプト不在のモデル」は、飽きてしまうのが早いものです。

家具の造り直しは、一般的には非常に難しいでしょう。本当に気に入らなくなったときには、買い替えしか手段がないのが現状です。資金に相当な余裕がないかぎり、2回、3回と買い替えることなど無理です。

ケイワークスが扱っている輸入家具

わたしの経営する会社でも、一部のモデル(DKワゴンNATURAL)には中国の製造工場で加工したものを輸入しています。こちらで設計した図面に従って精度を高めて加工してもらいますが、製品には現地で相当な注文をつけ、納得がいくまで修正指示を出し、最終の確認作業を行なって完成させています。

はじめはよくても慣れてくると手を抜くような作業になっては製品にバラツキが出ますから、いちいち手間はかかりますが何度もチェックし指摘しなければ、改善どころか言うとおりにしてくれないのです。粗雑な素材を輸入すれば、弊社の工房で組み立て、組み付けを行なう際、微妙に合わなくなってしまうのです。お互いに無駄を防止し、間違いのない製品づくりができるよう、依頼工場にも日本の厳しいものづくりの姿勢を徹底してもらっています。

テーブル

2)家具のどこを見て判断するか

家具を選ぶときの判断基準は、素人ではわかりにくいかもしれませんが、まずは第一印象が大切です。質がわるいものには、パッとしない、どことなく冴えない印象がつきまとうものです。質がよいものには、思わず惹きこまれる輝きやオーラのようなものが出ていますから、それを感じてみてください。よいわるいを感じていただくためには、次に挙げるところに注意を向けてください。

表面の塗装が均質に塗られているか
とくに近隣国で製作されているものにはムラが多く、製品によっては仕上がりも違います。なんとなくムラが多いと思ったら警戒すべきです。そのとき、粗悪な製品を売っている営業マンは決まって言うセリフがあります。「手造りですから、それぞれの製品差が出るのは当然なので、どうぞご安心下さい」と。しかし、このセリフが通用するのは、一定の水準をもった高品質な製品に限ります。本当に高水準の逸品を生産している自信に満ちたビルダーの営業マンなら、「ムラではありません。個性です。手造りの魅力は、職人それぞれの思いのこもった造りこみによって風合いも異なり、微妙な“個性” をもつことです」と語ることができるでしょう。粗悪な製品のムラを誤魔化すために使うセールストークと、高品質な製品がもつ個性はムラとは言わないと堂々と説明できるセールストークと、よくよく聴き分けなければなりません。ただの言い訳トークには、耳を傾けないように注意しましょう。
表面材の材質と質感はどうか
天板などに使用される化粧板に、妙な「てかり」や「くすみ」のある安物が選ばれていると車内全体が安っぽく感じられます。現在の建築インテリア業界では絶対に使用されない貧弱な質感の化粧板は要注意です。
逆に、過酷な使用条件となる車内でも、ほとんど影響されない表面材に、国内では最高品質の高圧メラミン化粧板があります。頑丈で汚れや水そして熱にも強いので、キャンピングカーには最適の素材です。この表面材を使った家具は、趣味の道具を積載してそれが当たったり引っかいたりした場合でも傷が目立ちにくく、とても長持ちします。
家具の金具はどうか
扉の開閉部にある蝶番金具やキャッチステーなどの取り付けが、整然としてきれいであれば信頼がおけますが、微妙に合わないなど手抜きが見られる場合は要注意です。何度も開け閉めして確認してみましょう。
金具の取り付け箇所を確認すると、家具の裏側の資材もよくわかります。金具をチェックするついでに、この部分の仕上げ状態や使っている資材の質も確認しておきましょう。近隣国で製造された金具類は、ほとんどが有名メーカー品のコピーというのが実情です。
家具
健康への配慮はどうか
シックハウス症候群の原因のひとつとされるVOC(揮発性有機化合物)などを抑制した建材でつくられている家具ならば安心です。鼻をつく化学物質の匂いが充満した車内にはとてもいられるものではありません。キャブコンなど架装部分をたくさんもつ機種のなかには、真夏に扉を閉め切った状態で車内いると、目や鼻がツーンとするキャンピングカーがいまだに出まわっています。
安全面への配慮はどうか
身体をぶつけてもダメージが少ないように、角をとった隅丸加工が施されている家具が安心です。扉や蓋の隙間にガタがないかどうかもチェックしたい点です。ベッド展開を実際に行なったとき、安全に問題がある箇所がないかのチェックも必要です。また、ボディのトリム(内壁)に密着するように加工される家具ですが、振動でガタが出ないようにしっかりと固定されているか、慎重にチェックしたいところです。トリムと家具の間にクッション材をかませてある建て付けならば、きしみ音対策にも有効です。ときには、トリムと家具との密着性が悪く、大きめの隙間がある家具の設置を発見することがあります。それは、新車であっても車体1台1台には微妙な違いがあることを無視して、ただ既成家具を取り付けたにすぎず、家具を車体に合わせる緻密な手作業を怠り、常に改善をしてこなかった証拠ですから、とくに注意が必要です。
見えない部分への配慮はどうか(裏側/床のレベル/接着剤/固定方法/電気配線)
それぞれのビルダーの作業姿勢に関わることですが、たとえば家具のなかに仕込まれる電気系の装備の設置方法や配線のまとめ方を見ると、その会社の作業姿勢がよくわかります。電気系統のチェックというかなり専門的なことよりも、配線途中の接続部がきちんと絶縁されているか、結束バンドなどで複数配線が要所要所でしっかり束ねられているか、機器の設置場所や取り回しに無理がないか、キャンピングカーショーなどへ行って各社の家具の扉や蓋を開けて、奥まで調べてみましょう。こうした外からでは見えない部分のチェックも大切なのです。ガタつきのあるいい加減な配線状態ですと、ボディの鉄板の端などでこすれ合い、絶縁が剥がれ短絡(ショート)すると同時に、最悪の場合は引火して火災を起こすこともあります。また、配線図の記録や納車後のメンテナンスにも配慮した配線架装が大切です。配線関係のトラブルは、何年か経過したのちから発生するもので、初期に手抜き仕事をしたツケが、ユーザーの怒りや不信感となって跳ね返ってくるのです。

CHECK! こうした不安へ対処するには、ビルダーの担当者にはっきりと問いただすことです。そして、担当者のようすをよく見ることです。そのとき、作業の取り組みに対する姿勢を明確に説明してくれるビルダー会社を信用すべきです。また、購入する予定のビルダーから遠い地域でキャンピングカーを使う場合、メンテナンスのたびにビルダーに寄ることは難しいので、あらかじめ各モデルの配線図があるかどうかの確認をしておくことも大切です。

3)手づくり家具の魅力

ぬくもりのある家具づくり

手づくり家具には、コンピュータ上で設計された大量生産型の家具ではとうてい真似できない、人の思いがこもった「ぬくもり」があります。ハンドスケッチから始まり、何度も試作品をつくっては微調整を繰り返して家具の型をおこしていきますが、この間の作業はすべて手仕事です。何よりも、高い技術力をもった日本の伝統家具職人が、「お客様にいつまでも喜んで使っていただけるように」と丹精込めてつくった家具は、やはりオートメーションから生み出された量産規格品とは一線を画します。

最近では、家具の色使いや形状などデザインが洗練されて美しく見えるものが登場していますが、大量生産の規格品は結局コストダウンによって製造されますから、「長く付き合っていくとやがては飽きるだろう」と予測できる家具が非常に増えています。見た目はよくても一昔前のカラーボックスの進化版とでもいうべき家具です。

ただし、これはこれで需要がありますから、みなさんの好みによって選択すればよいのですが、わたしが求め、みなさんにお勧めしたいインテリアは「ぬくもり感」なのです。ぬくもり感のあるインテリアは、年月が経つほどに愛着が湧いてきて、手放せなくなってくるものです。10年、15年と愛着をもって大切にできるモデルこそが、キャンピングカーとして真の価値があると考えます。

美しく耐久性に優れた手づくり家具を装備し、あらゆる用途を1台で満たすことができる高品質なキャンピングカーさえ選択しておけば、買い替えサイクルを今までの3回を1回にすることも可能になってきます。そこでも大きな節約が生まれますが、何よりも、ぬくもりのある家具に囲まれて心落ち着く自由な時間が、人生に計り知れない価値をもたらしてくれるに違いありません。

4)キャンピングカーのインテリア基調を決めるのは家具

インテリアで空間の印象が決まる

家具の善し悪しを判断するポイントやテクニックをお話ししてきましたが、家具についてこれほどこだわったのは、キャンピングカーを買って後悔した方がたの原因の多くが、車体の操作性以外にも、家具のデザインや材質に納得がいかなくなり飽きた…ということだからです。また、これに付随して、いろいろあれもこれもと多機能の収納性をもつ家具を導入したけれど、だんだん邪魔になってきた…という声をよく耳にするからです。

キャンピングカーに慣れてくると、しだいにシンプルに車内を使いたくなります。これは、わたしたちが、快適性、安全性、使いやすさを前提としつつも、キャンピングカーに「非日常を感じることができるリセット(reset)」を求めているからではないでしょうか。過剰な装備の家具は、悲しいかな、しだいに使われなくなるばかりか邪魔者扱いされるようになります。キャンピングカーの使い方に変化があったのならば仕方ありませんが、購入前に、車内の使い方をよく考えておかなくてはなりません。また、天井からベッドサイドに至るまでたくさんの家具収納を確保したいという、初めから好みが明確な方には、お値段は張りますが、家具で満たされた大型サイズのキャンピングカーも理想空間なのです。

一般的には、高品質なAll in Oneタイプのキャンピングカーを選んでおけば、家具も「寝る・乗る・積む」の3機能に支障なく製造されていますから大丈夫です。さらに、それらの家具の品質がよく、ぬくもり感のあるデザイン性まで備えたものであれば、買い間違ったという失敗も少なくなると思います。

繰り返しになりますが、キャンピングカーのインテリア基調を決めるのは家具であることを、みなさんの胸に刻みこんでおいてください。

「照明」の善し悪しを見究める

最近のキャンピングカーに装着されている照明は、そのほとんどが中国製など輸入物のLEDです。このなかでも、かなり品質や明るさに差があります。照明による光の質感というものが、インテリア全体に与える影響はとても大きいのです。照明は夜のキャンピングカーライフ・車中泊ライフを演出するもっとも大切な装備ですから、車選びには欠かせない重要チェック・ポイントなのです。キャンピングカーの魅力は、インテリアデザイン、家具、照明、床、生地の調和によって完成しますから、照明が物足りないとすべてが台無しになります。ここでは見究め方を3つご紹介します。

  1. 中国など原価の安い国で製造されたLED照明がほとんどです。そのなかから質のよいものを選ぶ必要があります。
  2. 日本製LED照明は、コストはかかりますが、別格の輝きを放ちます。この国産LED照明1つで、輸入物LED照明の7~9ドット分の光度をもち、透き通った輝きでインテリアを美しく際立たせます。
  3. 弊社のフラッグシップ・モデルには、国産1ドットLED照明を採用し、光を反射させるリフレクターケースもオリジナルで製作しています。たった1ドットのLEDで透きとおるようにきれいな光を生みだします。非常に品がよく質の高い照明ですから、さらにインテリアが引きたちます。
照明

「就寝空間」の善し悪しを見究める

キャンピングカーは、快適に眠れることが最重要課題です。そこで大切になってくるのが、就寝空間の善し悪しです。そして、就寝空間の快適性を左右するのは、「就寝スペースの面積」と「ベッドマットのクッション性能」です。

1)就寝スペースは十分に確保できるか
キャンピングカーの定義では、縦1800㎜×横500㎜が大人1人に最低限必要な面積です。これを基準に何人就寝できるかが各機種の仕様書に表記されます。しかし、実際の使用状況を想像してみますと、横幅50㎝というのは、いささか狭いですね。これは、キャンピングカーという限られた空間ならではの事情なのですが、この限られた空間であればこそ、できるだけ広い就寝スペースをとるにはどうしたらいいか、各ビルダーが知恵と技術力を総動員して工夫を重ね、さまざまなレイアウトのベッドが生まれてきたのです。
軽自動車ベースならともかく、ハイエースベースのキャンピングカーなら、就寝スペースをなるべく広く確保できるレイアウトが望ましいと思います。キャンピングカーを買ったあとで、就寝スペースが狭くて困るから室内レイアウトを変更しようとすると、レギュレーションに抵触して車の登録や車検からやり直さないといけない可能性があります。

CHECK! そんな失敗をしないためにも、「大は小を兼ねる」ではありませんが、広い就寝スペースを確保できる機種を始めから選択候補に入れておき、ベッド展開をするときのレイアウトを必ず確認しておきましょう。

2)オプションで増やせる就寝スペースもある
バンコンのなかには、平面のみでは就寝人員を増やせないので、家具の天井部などを利用して2段ベッドを張り渡す工夫も登場しました。2段ベッドとして使わなければ、そのベッドマットは外しておくタイプが多いようです。オプションの場合が多いですが、機種のなかには標準装備されているものもあります。ベッドマットの収納に関しては、設計の工夫によって可否が決まるので確認が必要です。
また、車体のルーフ部分を切り抜いて加工し、開閉が自由にできる車体一体型のルーフテントを提案する機種もあります。ポップアップルーフなどと呼ばれる機能ですが、室内から自由に出入りできますから、天井部にも就寝スペースを増やすことができます。その場合には、雨と寒さへの対策を具体的にしておく必要があります。
3)ベッドマットの質と厚みをチェックする
キャンピングカーは寝るための車です。ここで安眠を得るためには、いかに快適なベッドマットにするかどうかがカギになってきます。快適なベッドマットは、ウレタンフォームの構成で決まります。ビルダーには、ここにしっかりコストをかける企業努力が必要なのです。価格帯の低いモデルをメインにしているビルダーでは、どうしてもベッドマットの品質は低下します。市場に数多く出回っている中国製など量産品のベッドマットやクッションは、その象徴と言えるでしょう。クッション性能に関しては低反発ウレタンではなく、高反発の方が望ましいと考えます。ベッドマットは、仕上がり寸法で80㎜・70㎜・60㎜と使われる場所によっては薄く仕上げなければなりません。そのときに、柔らかすぎたり低反発であったりすると、クッションが体重に負けて沈みこんでしまい、腰などが底付きしてしまいます。この逆に、アメリカ製のベッドマットに多い、クッションが厚くて柔らかいタイプも身体をしっかり支えてくれず、ふわふわと不安定な就寝状態がつづくために疲れがとれにくく、翌朝に疲労が残ってしまいます。こうした経験のなかから、キャンピングカーのベッドマットに適するクッション素材は高反発ウレタンであることを導き出しました。

CHECK! チェックの仕方は、ベッドマットに肘を当て体重をかけてみることです。そのとき、すぐに底つきしてしまうようなマットは絶対に避けるべきです。ベッドマットは、就寝機能をもつことが特徴のキャンピングカーにとって最重要部分なのですから。

4)ベッドマットのカバーをチェックする
ベッドマットの表面に張られたカバーの生地をよく見てみると、生地にたるみが出ているものがあります。このたるみを軽視してはいけません。これは、生地の縫製が悪いのが原因で、クッションのウレタン形状をカバーがぴったりと覆いきれていないから発生するのです。たるみをそのままにしたゆるい縫製のカバーでは、早い段階から生地が傷みはじめ、ベッドマット全体の劣化が激しくなるので要チェックです。

CHECK! チェックの仕方は、平面になった生地を親指と人差し指でつまんでみて下さい。それで簡単につまめるようでしたら、比較的早い時期から生地の傷みが進みます。さらに、質の悪い生地であれば傷みの進行は加速します。

また、キャンピングカーの構造条件のひとつとして、ベッドマットやシートの生地は、火災時への対策として難燃素材を使わなければならないことも覚えておいてください。国内の一流メーカー製の生地はほとんどが難燃性ですが、輸入生地については詳細が不明です。実際に火をつけてみないとわからないというのが現状のようです。わたしは、中国における生地の街、杭州にも行ったことがあり、現地で質の悪い生地をよく見て知っています。各ビルダーに、「この生地は、どこで生産されているのですか」と直接問いかければ、判断できるでしょう。難燃性の認可を受けた生地を販売する信頼のおける国産生地メーカーは、サンゲツ、シンコールの2社です。とはいえ実際の製造は中国だったりもしますが、品質管理、生産する機械や設備、マネジメントに優れる日本の大手メーカーの製品は、同じ中国製でも粗悪品との間に天と地ほどの開きがあります。

ベッド

「デザイン」を見究める

みなさんがキャンピングカーを選ぶとき、「デザイン」についていろいろ検討されるだろうと思いますが、その重要性について踏み込んでお考えになったことはありますか。家にしても、車にしても、普段身につける洋服にしても、わたしたちの気持ちを豊かにしてくれるのは、実は「デザイン」なのです。キャンピングカーのインテリアデザインが悪ければ、居心地もよくありませんし、心をいやされることもなく、わくわくするような楽しい気持ちも半減してしまうでしょう。少し視点をかえて、インテリア業界のレベルについて考えてみましょう。

現在、アルフレックスなどイタリアのメーカーの活躍とその影響で、インテリア業界の製品は、とてもデザイン感覚にすぐれたハイセンスなものが出まわるようになりました。ハッと目を惹きつける魅力的なデザインのソファやテーブルが、ショーウインドウを飾っています。自宅に置いたら、さぞや気分がいいに違いない…そんな夢をかきたててくれます。ところが、日本のキャンピングカー業界はどうでしょうか。正直なところ、デザインからキャンピングカーをとらえるという考え方については、まだまだ発展途上の段階であると思います。たしかに、人を乗せて走る車には、安全基準や道路法規など国が定めた厳しい基準があり、それを無視したデザイン優先のものづくりは許されてはいません。多くの規制があるのも事実です。しかし、だからといって、質実さを追究するあまり、夢のないデザインばかりになってしまっては、「夢のクルマ」が泣いてしまいます。長く付き合えるキャンピングカーなのですから、その出会いには、ドラマチックで心を揺さぶられるデザインがほしいところです。

よいデザインには全体の調和がある

製造段階から規制の多いキャンピングカーですが、そのなかで求められる「よいデザイン」の条件は、「全体の調和」がとれているということです。「全体の調和」とは、家具(素材と色と質感)・光(照明)・空間(広いレイアウトと快適性)のバランス。この調和こそが、キャンピングカーの機能美やムードを決定づけるのです。どのキャンピングカー・ビルダーも、ユーザーにとって使い勝手のよい車内レイアウトを重視し、できるだけ安価にと試みるものです。しかし、リーズナブルな価格に抑えて普及を目指すあまり実用性に偏ってしまい、機能美や空間デザインの美しさがスポイルされてしまう傾向は否めません。

住宅でも、使い勝手のよさのみならず、高いデザイン性や趣味性が求められる時代です。デザイン性が高く、美しいインテリア・エクステリアが整っていなければ、住み心地に影響します。日常生活で居心地がよい家とは、美的なセンスにあふれた機能性の高い場所。くらしのなかに「美」が確実に浸透してきているのです。

テーブル

家具・シート・床に至るまでセンスのよい色彩でまとめられた統一感。余分なものを削いで目的に合った装備だけが見事にレイアウトされた美しさ。「全体の調和」を前提とした車内空間デザインをもつキャンピングカーからは、ビルダーのセンスとともに、手をかけたつくりが放つ貫禄のようなものがにじみ出てきます。安物づくりではごまかせない、本物の深みというものを追究したいものです。

ここまでご説明してきた「よくないキャンピングカーから逃れるコツ」さえつかめば、見てくれのよいデザインや一時的な美しさに翻弄されず、「全体の調和」がとれた色あせないキャンピングカーを見つけられるようになるでしょう。

内装

第5章 装備について知るべきポイント

前章までを通して読んでいただけたならば、どのようなキャンピングカーを選ぶべきかが明確になり、各モデルをチェックするときの評価基準あるいは判断基準といった「モノサシ」をもつことができたと思います。ここ第5章では、こうしたキャンピングカー選びの基本をご理解いただいた方がたを前提に、装備に関する知識と注意点をお話ししたいと思います。

キャンピングカーの基本構造に関わる装備の落とし穴

《その1》普通車クラスなのに小型車より狭いシート/過剰な装備の落とし穴

家族とともに長距離ドライブもこなしながらの車中泊旅行は楽しいものです。車内で過ごす時間も長くなりますから、シートの広さやクッションの快適性は、やはり十分確保しておかねばなりません。ところが、もともとは広いスペースを確保できる車両だったのに、過剰な装備がたくさん架装された結果、シート部が狭くなってしまった例をよく見かけます。きつい車内空間では、奥様やお子様は苦しい思いをしなければなりません。快適に乗車できるゆとりあるスペースの確保が最優先です。車両サイズを存分に活かすキャンピングカーが理想です。本当に使う装備だけに絞らないと、車内空間はどんどん狭くなっていきます。人だけでなく、キャンプ道具や遊びの道具も十分に積めなくなってしまいます。

セカンドシートは、就寝機能の一部に使われることが多いため、純正シートではなく特殊加工されたキャンピングカー専用の可変式シートに変更して設置しますが、そこで注意すべきは、キャンピングカー専用シートにもさまざまな種類があり、粗悪なコピーまがいの輸入品シートも出まわっているということです。ざっとではありますが、シート製造メーカーを挙げてみましょう。

  1. 日本製REVO(現在わたしの会社が使用しているメーカー)
  2. イタリア製FASP(法改正以前にわたしの会社でも使用っていたメーカー)
  3. その他海外製メーカー(FASPのコピー品など。展開時の動きが硬くてぎこちない)
    ※強度試験、テストを実際に行なっているかどうかは定かではない。

上記の①と②のメーカーはいわゆる知名度の高いメーカーです。当社が現在使用しているREVOは、技術力が高く信頼のおける会社です。REVOシートは、構造強度や衝撃強度に関する安全基準を満たすための実験を確実に行なっています。③については、シート本体の強度が不明で、乗員の命をあずけるシートとしては安全性を保障できないものが多く、この手のシートを装備するキャンピングカーは敬遠した方がいいでしょう。これはよく見ればすぐにわかります。

REVOシート装着車とその他の海外製シート装着車との間で、乗り出し価格の比較をする人がいますが、安全性を保障できないシート装着車は、比較対象としては問題外です。シート装備の本質は安全性第一ですから、どちらが安いかというコストダウンの問題ではなく、危険リスクの大幅アップにつながる間違った選択はやめましょう、ということです。

シート

《その2》自動車メーカー純正の3点シートベルトが付かない?

ハイエースベースのバンコン型キャンピングカーでは、セカンドシートをキャンピングカー専用のシートに変更してしまったために、3点式のシートベルトを装着できないことがよくあります。とくに、チャイルドシートを装着する予定のある方は、自動車メーカー純正の3点シートベルトが必要ですので、それがキャンピングカー専用シートではどのようにセットされるのか、ビルダーとよく相談しておきましょう。2012年6月から改正シートベルト法が施行され、キャンピングカー業界は大きく揺れました。安全基準の高いヨーロッパの基準に準じた「シートベルトの取り付け強度」および「シートベルト自体の強度」の基準も具体化されました。大切な家族の命を守るシートベルトですから、納得できる基準強化でしょう。こうした安全基準を満たすために、シートベルトの設置方法の改良や強度について積極的に取り組んでいるビルダーを探すべきです。

シート

《その3》収納スペースが小さいと…

クルマ旅には、広い収納スペースは必要不可欠です。キャンプ道具一式、遊び道具、宿泊用のシュラフ(人数分)…。みなさんは、自分たちが積む荷物を想像できますか。旅行にしても、遊びにしても、収納スペースが広いことは便利です。旅先で使える自転車などもいっしょに積めたら最高です。家族で出かけるときは、思ったよりも大荷物になりがちです。候補にあがったキャンピングカーの収納スペースが、どれほどまでの荷物を積めるのか、そのキャパシティをよくよく事前チェックしておきたいものです。収納スペースが小さかったり少なかったりすると、キャンピングカーの特色である「積む」機能を活かせず、後でがっかりしてしまいます。ただ、不思議なもので、収納スペースはあればあっただけ詰めてしまうのが人の習性らしく、荷物についてはほどほどに考えておいた方がいいでしょう。

収納スペース

《その4》ポップアップルーフ

本書のなかで何度となく登場している「ポップアップルーフ」ですが、あらためて用語解説をしておきますと、これは、キャンピングカー天井部に車体一体型の開閉式テントを装備した仕様のことをいいます。車体一体型ですから、出入りは車内からできます。もともとはキャンピングカーの先進地ヨーロッパから普及が始まったものです。気候のよいときには、ポップアップルーフをはね上げてジッパー付きの窓を開け、風を感じながら昼寝をしたり、バードウォッチングをしたり…。外気温が30℃ほどあっても、ルーフの断熱効果によって太陽の熱をシャットダウンできますから、2m上の風だけを取りこめて、エアコン要らずの住宅と同じように涼しさを体感できます。滞在型キャンプでは、一度使ったらやめられない装備です。高さのある天井部を就寝空間・休息空間に使える醍醐味は格別です。

ポップアップルーフの導入に迷ったときは、キャンプかクルマ旅のどちらの頻度が高いかを明確にします。主にクルマ旅で使う場合は、これがなくても利用者分の就寝スペースさえ確保されていれば、高価なポップアップルーフを無理に装備する必要はないと思います。また、ポップアップルーフを導入するときは、どの程度までの風雨に耐えられるかをビルダー側によく確認しておく必要があります。そのときの曖昧な回答には要注意です。

お客様から「ポップアップルーフは雨の日にも使って大丈夫なのですか」と聞かれると、大方の営業マンは、自信なさげに「ちょっとの雨なら大丈夫です」と答えるはずです。しかし、夜中に本降りの雨に見舞われたときには、どうすればいいのでしょうか。上げていたポップアップをしまうのは当然ですが、ほかに就寝スペースが確保できていない状態で、ルーフテントに寝ていた人たちは、いったいどこに寝たらいいのでしょうか。

軽キャンパーにもポップアップルーフの装着は可能です。軽キャンパー用のポップアップルーフは、それ自体の重さが50㎏以上になりますから、足回りの弱い軽自動車の場合、カーブの多い山道などでは、逆振り子のように車体が振り回される傾向があります。せめて4ナンバー貨物をベースとした軽キャンパーにするべきでしょう。こうした問題も考慮しておいてください。

ポップアップルーフ

《その5》ベッド展開にかかる時間と手間・ボードの収納について

ベッド展開は、シンプルかつ展開しやすく、持ちあげるベッドボードなどのパーツが、女性でも容易に持てる重量であることが大切です。そして、展開したパーツがきちんと収納される設計になっているかもポイントです。しかし、車内のスペースの都合上、2段ベッド用のベッドボードに関しては、使用するときには定位置に敷きっぱなしにして、不要な場合は自宅に置いておくという場面まで想定した方がよいでしょう。マンションにお住みの方のなかには、駐車場にベッドボードを置いておけず、かといっていちいち上階まで運ぶのも大変だ、という場合もあります。ご利用の環境と使い方をよく見定めておくことが肝心です。

ベッド展開

《その6》断熱断燃の施工内容と方法

断熱施工の要は隙間をつくらないように、なるべく奥まで密着させて施工できる材料を工夫する必要があります。極力隙間をつくらないように断熱材を施工するには、セラミック系の塗料を吹きつけると、まんべんなく施工ができます。当然ですが、塗装膜だけでは薄いので、さらに断熱材を隙間なく敷きつめることで効果が望めます。弊社では、セラミック塗料を隙間なく吹きつけてから、厚さ4㎜ほどの高性能な断熱材を手作業で重ね張りして施工します。問題は窓の断熱です。アクリル2層構造の窓をすべてに施工できれば理想ですが、現実的には無理なことと、お客様からは「外装はキャンピングカーとわからない方がいい」というお声が多いので、その辺りは割り切り、断熱フィルム施工とカーテンで対処します。断熱施工で注意すべき点は、建築でよく使われる厚手の断熱材をスカスカな状態で施工してあると、その隙間から熱が逃げてしまいますから、非効率な断熱となってしまうということです。また、厚手の断熱材に湿気がたまり、カビが発生していることもキャブコンなどではよく見られます。こちらのチェックも電気配線と同様に見えない部分ですから、どんな断熱材がどういう状態に施工されているか、はっきりとビルダーに質問すればよいでしょう。

断熱断燃の施工

《その7》もしものときのリペア方法(同じ素材で修理できるかどうか)

普通車と違い、特殊な造りをしているキャンピングカーでは、車両自体のメンテナンス性についても考えておく必要があります。とくに多い電気関連のメンテナンスでは、電気に関するそれなりの知識があれば、いざという時にも何とかなります。電気配線に自信のない方でも、配線図さえ常備していれば、自動車整備工場でも修理しやすいものです。購入したビルダーの所在地から遠く離れた場所で故障したときでも、日本RV協会に加盟しているビルダーに持ちこんで相談すれば、まず対応することは可能です。ただ、配線図がない場合は断られることもありますので、注意が必要です。家具に関しては、同じ材料のリペアパーツが調達できるかどうかのチェックも必要です。国産の木目シート材などであれば、何年かは同じ資材の生産が続きますし、たとえメーカーの資材変更があっても同じ系統のものが継承される場合が多いので安心です。特定の輸入材のようにいきなり欠番になることはなく、すぐに調達も可能です。輸入物のリペアパーツは、調達できても飛行機便の運賃が万単位になったり、船便では届くまでに数か月もかかる場合があります。

家具

機能に関わる装備について

《その1》FFヒーターについて

冬場の車中泊で重宝するFFヒーターは、キャンピングカーのように室内が広い車を温めるには最適です。FFヒーターとは、駐停車時にアイドリングしながらエンジン熱を循環させる暖房方式とは異なり、ガソリン燃料を用いて冬季の室内温度を快適に保つことができる暖房器具のことです。FFヒーターは車のガソリンを燃料に使いますが、稼働には電気を用います。エンジンをかけずにサブバッテリーで作動することができますから、とても経済的ですし、車本体のバッテリー上がりを心配する必要もありません。サブバッテリーは、起動時には7~8Ahほど使いますが、稼働時にはおよそ1.5Ahまで下がりますので、サブバッテリー1個でも一晩中フルに使うことができます。燃料のガソリンは一晩でおよそ2ℓ消費します。

メーカーもいろいろとありますが、最近のものでは「ベバスト製」が知られています。標高1500~2000mの高所にも対応できる高標高スイッチがオプションで設定されています。また、「エバスペッヒャー製」の「エアヒーター」もよく知られていますが、最近、日本向けにパワーアップされた「エアトロニックB3 Plus」というモデルが登場しました。天井開閉式テントのポップアップルーフを開いたキャンピングカーのように空間容積が増えた場合でも、この「エアトロニックB3 Plus」ならば一晩中でも十分に暖められそうです。

とても専門的なお話になりましたが、FFヒーターは必要か必要でないか、という議論に対する答えとしてご紹介するものです。キャブコンやバンコンのように室内容積が広いキャンピングカーをまんべんなく温めるには、カロリーが高く、室内空気を汚さない暖房器具が必要です。寒い冬場に車中泊で快適に眠るためには、FFヒーターはぜひとも装備しておきたい必需品であると思います。

FFヒーターの場合、あとから施工することになりますと、配線の引きまわしや燃料タンクを下ろす作業など余分な手間とともに多額の工賃が発生しますから、必要かどうかを見究めるというよりも、購入する際に取り付けるべき装備です。

FFヒーター

《その2》電子レンジの使い方

よく、キャンピングカーの装備に電子レンジ搭載とありますが、実際に使おうとすると、800W以上の消費電力になりますから、車載バッテリーだけでは満足に使うことができません。トータルで1000W以上の消費電力となる家電品を動かすために、1500Wのインバーターとサブバッテリー(100Ah相当)を2個装備したりしますが、3分ほど使って休ませ、また使っては休ませるといった注意をしないと、サブバッテリーの負荷が大きくなって電圧を低下させてしまいます。以上を考慮すると、あれば便利な電子レンジですが、車内の電源システムだけで使おうとする場合は、慎重にそして計画的に使うことが条件になります。しかし、整備されたオートキャンプ場などへ行けば、家庭用100Vの電源を利用できるサービスがありますから、外部電源供給システムを装備したキャンピングカーならば、家庭と同じように使用することができます。

電子レンジ

《その3》冷蔵庫の使用頻度はどれくらいか

まず考えたいことは、キャンピングカーのなかで調理をするかどうか、ということです。実情を知ればすぐにわかりますが、使いなれてくると、狭い車内で調理をすることはまずありません。何週間、何か月もクルマ旅をつづける場合には、外食にも飽きたし、食費も馬鹿にならないから、手料理を食べたいという場面も出てくるでしょうが、2泊3日ほどの車中泊で調理に時間を割かれるのは無駄だ…と思う方が圧倒的に多いのです。また、狭い車内で頻繁に火を使うというのも危険ですし、炒め物の油が車内に散るのもどうかと考えてしまいます。しかし、冷蔵庫は別です。夏期には常に冷えた飲み物を確保できますし、道の駅などで売っている要冷蔵のお土産も、その場で買って旅の最後まで冷蔵庫に入れておけば安心です。何かと重宝する冷蔵庫ですが、飲み物やお土産だけのためならポータブルタイプで十分です。必要なときにだけ積むようにすれば、車内を広く使えます。ビルトインタイプの冷蔵庫は一度据えつけると動かせませんから、室内の使い方も考えて選択しましょう。

冷蔵後

《その4》電源供給システム(外部電源取り込みシステムとソーラーパネルの必要性)

【サブバッテリーと走行充電システムについて】

サブバッテリーとは、キャンピングカーの装備を稼動させるためだけのバッテリーです。これに対してメインバッテリーは、エンジンをスタートさせたり、車両本体の電装品へ電気を供給するためのものです。メインバッテリーからさまざまな電気製品用の電気を取ると、容量を超えてバッテリー上がりを起こすことがあります。こうなると、キャンピングカー自体が走行不能に陥ります。こうした事態を避けるために、サブバッテリーはメインバッテリーとは別に装備します。ハイエースなどのバンコンタイプの車両には、基本電源として105Ah〜115Ahくらいの容量をもつサブバッテリーをお勧めしています。冷蔵庫など消費電力の大きなものを稼動させたい場合は、105Ahを2個並列接続して、210Ahにしたツインバッテリーを装備することもよくあります。ちなみに、最近では軽キャンパーでも105Ahを搭載したモデルが出てくるようになりました。

バッテリーの容量は、Ah(アンペアアワー)表記です。1Ahとは、1時間(1h)に1アンペア(1A)を使える容量ということです。例えば、105Ah容量をもつバッテリーを使って、3Ahのポータブル冷蔵庫を稼動させるとしたら、数値上は35時間稼動することになります(105Ah÷3Ah=35h)。しかし、ここが肝心なのですが、実際には、6〜7割ほどを安全の目安にしていますので、105Ah容量のバッテリーならば、およそ6割にあたる60Ahをバッテリー稼働容量と考えます。弊社でもこうした安全性を前提にしていますから、60Ah÷3Ah=20hと計算したうえで、「20時間ほどの稼動ならば3Ahの冷蔵庫も大丈夫ですよ」と説明しています。

こうしたバッテリー容量と使用機器との関係をつかんでおけば、使う電気系装備を同時に何時間使えるかも推測できるようになります。参考に、キャンピングカーでよく使われている電気機器のAhを挙げておきます。
冷蔵庫:2~5Ahほど/FF ヒーター:稼動時は1.5Ahほど/LED照明:0.5Ahほど/カーオーディオのTV:2Ahほど

配線の方法やセキュリティーパーツ(サブバッテリーの電圧を常に監視してバッテリー上がりを未然に防ぐ過放電防止器=ボルテージセキュリティー)でも異なりますが、あるライン以下までバッテリーを使い切ってしまうと、バッテリーに直接充電をかけないと保護回路が働いて、バッテリー自体が充電しなくなってしまう配線もあります。

通常サブバッテリーの充電は、車両のオルタネーター(発電装置)から線を引き込み、走行充電器(アイソレーター)によって電流、電圧を制御しながら供給されます。走行中には3Ahから4Ahほどで充電されていきます。サブバッテリーが満充電になると走行充電器が制御して、自動的に電流を停めてくれます。ですから、スイッチをオン・オフするなどの操作は要りません。これがいわゆる走行充電システムです。しかし、普段から走行する距離が少ない環境では、サブバッテリーは少しずつ放電し、電圧も低下していきますから、走行充電でまかなえない環境の場合には、外部からの電源供給システムが必要となってくるのです。そこで、外部電源供給システムの検討が必要になります。

普段の使用頻度が少ない、あるいは通勤などの走行距離が短いという場合は、定期的に外部電源から100V電源を取り込んで、充電器(チャージャー)経由で充電することをお勧めします。しかし、車を駐車する場所が電源を取り込めない環境である場合は、さらに別の対策が必要です。

電源供給システム
【ソーラーパネルの必要性】

車を駐車する場所で電源を取り込めない場合の別対策として、ソーラーパネルの設置をお勧めします。電源を外部からケーブルで引けなくても、太陽光エネルギーのみで常にサブバッテリーへ充電することが可能になります。一般的な車を使用されている方には馴染みがないと思いますが、最近では、キャンピングカーにソーラーパネルを設置して充電している車両が増えています。スペックにもよりますが、バンコンに装着される普及タイプのソーラーパネルでは出力80W~180Wほどのものが多く、晴天時で日照角度が高い位置にある状態ですと、7〜8Ahほど発電できます。

ここからは、ソーラーパネルの実用性について解説していきます。まず、キャンピングカーに使うソーラーパネル(太陽光発電)は、何のためにどう使うのかを順番に考えていきます。基本的には、停止しているキャンピングカーのサブバッテリー充電のために導入します。次に、どんな装備に対して有効なのかを考えてみます。キャンプ場などに滞在したとき、稼動させたい装備には、以下のようなものがあります(当社実績)。インバーター/冷蔵庫/音響(TV・DVD・CD)/照明/扇風機/電子レンジ/ドライヤー…これらが主な使用機器ではないかと思います。

このなかで、常時電源が必要となる使用頻度の高い機器や家電製品としては、インバーターと冷蔵庫があります。インバーターは、直流(DC) から 交流(AC)をつくる装置です。車に限っていえば 12V系から一般家庭の100Vをつくる変換装置と考えていいでしょう。サブバッテリーとつないで常に電気を必要とする重要な装置です。ちなみに、テレビなどAC100V/DC12Vの両方を使える機器では、サブバッテリーから直接供給されるDC12Vを使った方が消費電力は小さいので、インバーター経由のAC100Vを使わない場合もあります。

冷蔵庫は、冷たい飲み物をストックしたり、食品を腐らせずに保存するため、24時間電源を切ることができません。冷蔵庫を一定期間稼動させることを前提にキャンピングカーを使用するのであれば、どんな電源供給方法が必要なのかよく考える必要があります。外部からコードを使って電源を取りやすくしたコンセント付きの車両でよいのか、ソーラーパネルを装備するのか…。

また、電子レンジやドライヤーなど電力を700W~1000W以上消費する機器を使用したいとき、サブバッテリーの電圧が下がっていると、電圧低下のために稼動させることができません。つまり、サブバッテリーは常に満充電状態に近いほど安心して使えるということです。キャンピングカー活用のなかで大切なことは、サブバッテリーをできるかぎり満充電にしておくということです。

それでは、弊社でよく使う定格出力140Wのフレキシブルタイプを例にあげてみましょう。充電能力は、太陽の日照角度によって変わりますので、変動的であることが前提です。

晴天の日中で、約7~8Ahの発電をしますので、条件がよければ、冷蔵庫で3Ahほど使っていても、残り4Ahほどを追加充電するだけで済みます。サブバッテリーを105Ahとして、日中の日照角度もふまえて充電量を平均3Ah で計算すると、およそ30時間で満充電近くなります(3Ah×30h=90Ah)。そこに走行充電分も加わりますから、走行充電量がソーラー発電量と補いあうことによって、ソーラー充電時間も変動してきます。なお、ソーラーパネルの発電量は、定格出力のおおよそ35%平均を発電の目安としています。

ここまでを平たくまとめておきますと、消費電力の高いエアコンなどは使えませんが、実際の用途としては、キャンプや車中泊旅行などに出かけた際、天候さえよければ、冷蔵庫の連続稼動は十分可能になります。しかし、雨や曇りのときは、発電しない、もしくは発電量は10%以下に下がることも想定しなければなりません。

【ハイエースクラスのバンコンにお勧めするソーラー電源供給システム】

参考消費電力の目安

  • 冷蔵庫;2.5Ah~3.5Ah
  • ナビユニットを使用してのTV、DVD鑑賞:1.5Ah
  • LED照明:1個 0.1Ah(弊社の場合は調光式6球で0.2Ah~0.6Ah)
  • インバーター:1.5Ah
  • FFヒーター:スタート電力7~8Ah/通常稼動時1.5Ah
  • 電子レンジ:700W表示(定格高周波出力) ※実際は定格消費電力1200Wほど

AC100VとDC12Vの両方が使える冷蔵庫の場合、インバーターを経由せずにサブバッテリーから直接供給されるDC12V電源で稼動させれば、消費電力も少なくて済みます。こうした消費電力を抑える方法で冷蔵庫を稼動させながら、ソーラーパネルによって充電されつづけている状況をつくれば(ただし天気が晴れていることが条件)、ときに大きな消費電力の機器を稼動させても、サブバッテリーの電圧は保たれます。ただし、バッテリー容量も必要ですので、ツインバッテリーまたは200Ahクラスのバッテリーを設置する必要があるでしょう。そこで、ハイエースクラスのバンコンにお勧めするソーラー電源供給システムは、次のとおりです。

  1. ツインバッテリー(105Ahまたは115Ah×2)
    ※車両の発電装置(オルタネーター)による走行充電に対してはこれくらいが限界。
  2. 1000W~1500Wインバーター
    ※1500W以上の電気機器をキャンピングカー内で使うことはまずない。
  3. ソーラーパネル(130W~180Wくらい)+コントローラー(充電制御装置)
    ※設置可能なソーラーパネルのサイズと天井面積を考えると、これくらいの能力。

弊社では特殊な金属加工技術を用いて、ハイエースの曲面凹凸付きのノーマルルーフにも対応できる専用マウントを開発し、薄型フレキシブルソーラーパネルを、天井最高部から2㎝以内にきれいにセットしています。見映えもよく、真上から見なければ、ほとんど目立ちません。また、ポップアップルーフにも、薄型フレキシブルタイプをピッタリとセットできます。ノーマルルーフ、ポップアップルーフともに、万が一の損傷や故障の場合でも、脱着可能となっています。

【デリカD:5クルーズにも薄型ソーラーパネルが装着できる】

弊社のラインナップにあるデリカD:5クルーズにも、ポップアップルーフ付きであれば、ソーラーパネルの装着が可能です。仕様は140Wで、ハイエースクラスに使用しているものと同じです。うまく活用すれば、機動力のある車中泊RVカーとなります。

これで、2泊3日ほどのキャンプや車中泊旅行では、電源の心配は要らなくなります。ただし、太陽光が出にくい梅雨時のお出かけには要注意です。

【災害時の緊急電源として見直されてきたソーラー発電】

万が一の災害時には、ソーラーパネルが家族のライフラインにもなってくれます。阪神淡路大震災や東日本大震災でも経験済みですが、電気と水道が断ち切られると、瞬く間に暮らしは切迫します。少なくともソーラー発電によって電源が確保されているだけで、通信機器の電源には困りません。小型テレビや携帯電話やパソコン、夜間照明などが使えるだけで、どれだけ安心できるかわかりません。キャンプや車中泊で活躍してくれるソーラー発電は、実は、こうした災害時の緊急電源としても大きく見直されてきているのです。

ソーラーパネル

カスタマイズするとは

キャンピングカーの装備に関するアドバイスは、このほかにもたくさんあります。オーディオやオートクルーズなど電装系パーツの取り付け、足回りを強化するサスペンションスやタビライザーさらにはローダウン、収納に関わる装備のカスタマイズ、ペットのためのスペースづくりやサークルの固定、自転車キャリア、電動サイドオーニングの便利な使い方、ビルトインタイプのテレビモニターの設置、夏場に重宝する虫よけネット…大きな装備から小さな装備まで、もうきりがありません。しかし、第1章~第4章までをお読みいただいたみなさんは、すでにご自分の使用目的にかなうキャンピングカーをほとんど描き終えているはずです。あとは、その絵にアクセントをつけて細部を整えるために、本章が添えられました。

そのほかの装備に関しては、みなさんが決めたキャンピングカーをもとに、好みや予算に合わせてビルダーと相談していけばいいことばかりです。キャンピングカーの本質的な価値は、ここまでの解説をお読みいただいた時点で言い尽くされていますから、知識とテクニックを応用すれば、誰にでも間違いのない理想の1台を完成させることができます。

カスタマイズするとは、みなさん自身の利用目的にあった最良のベースレイアウトを選択したあとで、利便性と快適性を理想状態に近づけるために装備を追加するということです。そこを満足させるためには、目的にかなうベースレイアウトのキャンピングカーを確かな技術で製造し、どんなカスタマイズがお客様にとって必要なのかを知りぬいた専門ビルダーをみつけることです。オリジナリティあふれる「夢のクルマ」へと仕上げるためには、親身になって相談に乗ってくれるビルダーとの出会いが何よりも重要なのです。

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